第5章…side ノワール13


「クラウディアさん、一体何を…」

「ごちゃごちゃ言ってないで、あんたも早く脱ぎな!」

「脱ぐって…なぜ、こんな所で…」

「あたしはね…見られてる方が燃えるんだよ。
なんだい?その目は…いやなら別に良いんだよ。」



何を考えてるんだ、この女は…!!

使用人達もなんとも言えない気まずい顔をして並んで立っている。
きっと、クラウディアには誰も逆らうことは出来ないのだろう…



「どうすんだい!
やるのか、やらないのか!」



醜く太った身体を揺らしながら、クラウディアが眉間に皺を寄せて怒っている。

まさか、こんなことになろうとは予想すらしてはいなかったが、ここまで来たら仕方あるまい。
私は言われた通りに服を脱ぎ捨てた。
クラウディアの瞳が、獲物を狙う獣のようにギラギラと私の身体をみつめているのを感じる。



「あんた、よっぽどあの鏡がほしいんだね。」

「いいえ、私はあなたがほしいのです。」

「ふんっ!その口で、今までさんざん女を泣かして来たんだろうが、今度はあたしがあんたを泣かしてやるよ!」



……私は、使用人達のみつめる前で、醜い淫乱女の餌食となった。

しかし、これもすべては鏡を手に入れるためなのだ。
これは悪夢だ。
目が覚めれば、すべては終わる…
私は自分にそう言い聞かせながら、クラウディアの玩具の役目を果たした。

だが、それで終わりではなかった。
クラウディアは一度では満足せず、何度も私を求めてきた。
私が解放されたのは、夜明けも近い深い夜だった…



「……あぁ…さすがに疲れたね…
今まで、あの鏡がほしいって言ってきた奴は何人もいたが、ここまでやった奴はあんたが初めてさ。」

「では、鏡は……!」

「馬鹿言っちゃいけないよ。
今のはただの味見さ。
あんたがあたしの玩具になれるかどうかのね。」

クラウディアの言葉に失望と憤りを感じたが、私はそれをひた隠し極めて冷静に振る舞った。



「それで…私は、あなたの玩具になれるのでしょうか?」

「……そうだね。
満点とは言わないが、まぁ合格点だね。
これから一週間、あんたがあたしを楽しませることが出来たら、約束通りあの鏡はあんたにやるよ。」

「ありがとうございます。
どうぞ、私を好きなように使って下さい。」

私は醜い女の前に跪いた。



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