第4章…side ブルー16


「ブルー…
私、これからもずっとあなたを愛し、命の限りあなたに尽すわ。
だから、私を許して…
ごめんなさい。
こんなことをして…」

「……もう良いんだ…」

レティシアの顔がぱっと輝き、瞳から一筋の涙が流れた。

私の言葉を聞いて、許してもらえたのだと解釈したらしい。



愚かな女だ…
もう、おまえとは無関係だ、私はここを離れるのだから…
だからこその言葉なのに…



やがて、朝がやってきた。
私は夜明け前にそっと部屋を抜け出し、港へ向かい一隻の船に乗り込んだ。

この船は、少し離れた大きな港町へいくらしい。
五日間の船旅になるようだ。
私はそこからさらに私のことなど誰も知らない別の大陸に渡るつもりだ。



さようなら、エスポワール一座…

さようなら、愚かで哀れな女、レティシア…

考えてみればこの数年間というもの、私の片割れを探すこともままならず、私は一体何をしていたのだろう…

離れて行く陸を見ながら、私は久しぶりに考えていた…
私の片割れの事を…

彼は今、どこで何をしているのだろうか…と…


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