第４章…side ブルー１３
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「お〜い、みんな、ちょっと集まってくれ！」
稽古場に座長の声が響いた。
「実はな、今日はみんなに伝えることがある。
今度の舞台から、レティシアがしばらく休むことになる。
これからは、キャロル、おまえがレティシアの代わりに主役になって踊るんだ。」
「えっ！私がですか？！」
キャロルは、信じられないといった顔をしながらも思いがけない幸運に興奮しているようだった。
「でも、どうしてレティシアが？
まさか、一座をやめるんじゃあ…」
「なぁに、心配はいらねぇ！
実はな…レティシアの腹ん中には赤ん坊がいるんだ。」
座長の言葉に、その場から驚きの声が漏れ、レティシアははにかんだように微笑んでいた。
「こいつは驚いた！一体いつの間に…
で、父親は誰なんです！？」
「父親は…ブルーだ！
近いうちに内輪で結婚式を挙げてやろうと思うんだが、皆、どうだ？」
その言葉に、皆は口笛を吹き鳴らし、拍手をして応えた。
団員達は、私とレティシアのまわりに集まり、肩を叩いたりいろいろな質問や祝いの言葉を投げ掛けてきた。
悪夢だ…
そして、さらにひどいことには、私とレティシアはその日から同室にされてしまったのだ。
「驚いたわね。
こんなに早く座長が発表してしまうなんて…」
「……舞台に穴を空けるわけにはいかないからな。
キャロルに君の代役をさせる以上、言うしかないと考えたんだろう…」
「そうかしら？
座長はきっと私とあなたのことを考えてくれたんだと思うわ。」
レティシアの熱い眼差しから私は目を逸らした。
「ブルー…」
レティシアが、私の首に腕を回してくる。
私は無言のまま、その手を振り払った。
「……そう…わかったわ…
あなたがその気になるまで、私はいつまでも待つから…」
「……レティシア！
君はこれで良いのか？！
ダンスは君の生き甲斐だったんじゃなかったのか？
苦労してやっと手に入れた主役の座を譲ってまでこんなことをするなんて…」
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