第4章…side ブルー11


「マイク、レティシアをちょっと診てくれ。」

「レティシアを?どこか調子が悪いのか?」

「レティシアの腹に子が出来てるかどうかをだ!」

マイクは、驚いたような顔をしたが、二人は黙って部屋を出ていった。



「座長…私はなにも…」

「うるさい!黙れ!
話はマイクの診察が終わってからだ。」

部屋の中はいやな沈黙に包まれた。

しかし、レティシアは一体どういうつもりなのだろう…?
診察を受ければすぐにバレてしまうことなのに、なぜあんなことを…

いたたまれない時間が流れ、ようやく二人が戻ってきた。



「マイク、どうだった?」

「あぁ、確かに出来てたよ。
しかし、驚いたな。一体、誰の子なんだ?!」

「……おまえって奴は!」

座長が立ちあがり、その大きな掌が私の頬を激しく叩いた。
その瞬間、部屋の空気が一瞬にして張り詰めたものに変わった。



「おまえら、一体、いつからなんだ!!」

私にはわけがわからなかった。
頭の中がまだ混乱している。
なぜだ?
なぜ、レティシアのお腹に子供が…?



「座長…申し訳ありません…
ブルーとそういう仲になったのは三ヶ月程前からです…
私が策を思い付いたという日の夜中、ブルーに呼び出されました。
そのことについて話を聞かせてほしいと言われて…
そして、その時、無理矢理に…
いえ!私に配慮が足りなかったんです。
真夜中に男性の部屋に行くなんて…私が悪かったんです…」

「レティシア…君は…!」

「おまえって奴は…!」

今度は座長の堅い拳が飛んできた。
右から、そして左から…



「やめて下さい!座長…!
ブルーはあの時、クリステルさんのことでとても悩んでいて…」

「嘘だ…!私はなにも…!」

「俺も見た……
あの日…レティシアがブルーさんの部屋の中で素っ裸で泣いていて…
……何があったかは、聞かなくてもすぐにわかった…」

「クリス…それは誤解だ…私は…」

「まだ言い訳をするのか!ブルー…おまえも男なら潔く認めろ…これ以上見苦しい真似はするな!!」

「私は、それからも何度もブルーに呼び出され…その度に彼の慰みものにされました…
でも、それでブルーの気が晴れるなら…私はそれでも良いと思ったんです。
……私は…以前からブルーのことが好きでしたから…」



私には彼女が何を言っているのか、理解出来ないままだった。


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