第4章…side ブルー7


「そんなものはないわ。
でも……嘘でなければ良いのよ…」

「嘘でなければ…?
どういうことだ?」

「……だから!
本当に、私が赤ん坊を産めば良いのよ!」

「何を馬鹿な…そんなこと出来るわけがないではないか。」

「どうして?
子供なんて簡単に作れるわ!」

「…そういうことではない。
君は私のために、自分の身を犠牲にするつもりなのか?!」

「犠牲なんかじゃないわ!
ブルー…私は以前からあなたを愛してた…
私の気持ち、わかってたんでしょう?」

「な、何を…」

レティシアの思わぬ告白に私は驚き、それ以上言葉が出なかった。



「ブルー…」

おもむろにレティシアが立ち上がったかと思うと、身に纏っていた長いマントをするりと脱ぎ捨てた。

マントの下には生まれたままのレティシアの身体があった…



「ブルー、愛してるわ…!」

レティシアは私の首にしなやかに腕をまわし、唇を重ねて来た。



「やめろっ!」

私は彼女の思いがけない行動にレティシアの肩を突き飛ばしていた。
レティシアの真っ白な肌にみるみるうちに赤い跡が浮きだして来る。



「す、すまない…レティシア…
さぁ、早くマントを着てくれ…」

「……いやよ!
私は帰らないわ。
あなたが私を抱いてくれるまで帰らない!」

涙声のレティシアが叫ぶようにそう言った。



「レティシア…子供みたいなことを言うのはやめてくれ…」

床に倒れているレティシアに手をさしのべようとすると、彼女はさらに私に抱きついてきた。



「ブルー、お願い…
私に恥をかかせないで…
私は本気なの…本気であなたのことを…」

「まだそんなことを…!」

私は再び彼女を引き離し、彼女は大きな声をあげてその場に泣き崩れた。



今は何を言っても彼女は納得しないだろう…
私が部屋を出ようとした時、運悪く隣室のクリスと鉢合わせになった。



「あ……」

部屋の惨状を見てクリスがどう思ったかはわからないが、そんなことはどうでも良い。

レティシアが私の名を呼ぶ声が背中に突き刺さる…



その晩、私は仕方なくバーの片隅で夜を明かすことにした…


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