双子の王子様5


そして次の日…



「カパエル…昨日はごめんなさい。」

「あ、アンジェリーヌ……」

「ちょっと良いかしら?」



二人はいつものベンチに腰掛ける。



「カパエル…今日は私の本当の気持ちを伝えに来たの…」

「本当の……気持ち?」

「ええ……
私…あなたのことが好き。
ミカエル様よりも誰よりもあなたのことが一番好きなの。
純粋で真面目で…そんなあなたといると、私、とても心がやすらぐの…」

「え…!そ、そんな…」

「カパエルは私のことどう思ってる?
私のことが嫌い?」

「ぼ……僕は……
僕は、アンジェリーヌのことが大好きだよ。」

「えっ!本当?!」

「でも…アンジェリーヌはそうじゃないと思う…
だから、アンジェリーヌはミカエルと結婚して!」

「あ!カパエル…!」

今度は昨日とは逆に、カパエルがその場を走り出してしまった。



(アンジェリーヌ…僕にはわかってるんだ…)



「おい、待てよ!」

不意に腕を掴まれ、振り向くとそこにはミカエルが不機嫌な顔をして立っていた。



「なんだよ、おまえ、泣いてんのか?
今、アンジェリーヌと話してただろ?
何を話してたんだ?」

「あ…あのね…
アンジェリーヌが…僕のことを好きだって。
ミカエルよりも僕の方が好きだって言ったんだ。」

「な、なぁにぃ!
カパエル!おまえ、まさかそんなこと、信じてるんじゃないだろうな!?」

「うん、信じてないよ。」

「そ、そうか…それならいい。
いいか、カパエル。
女にはマリッジブルーっていうのがあるんだ。
結婚が近づくと、気持ちが不安定になって、心にもないことを言ってみたりするもんなんだ。
だから、アンジェリーヌがそんなことを言ったのもそのせいなんだ。
気にするなよ。」

「うん、わかってるよ。」

「アンジェリーヌは、俺が結婚してフィンラに行ってしまったら、お前が一人で寂しくなるんじゃないかってすごく心配してるんだ。
だから、おまえもはやく妃を決めて結婚しろ。
そうすれば、アンジェリーヌも安心する。
アンジェリーヌだけじゃない。
国王も王妃も国民も、そしてこの俺も安心出来る。
お姫様リストに気に入ったのがいなかったら、俺が合コンをセッティングしてやるぞ!」


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