双子の王子様4
「え…ええ……」
「僕がこうして人間に戻れたのも、ミカエルが僕のことを心配してずっと調べてくれてたおかげなんだ。
本当にミカエルは良い人だよ。
ミカエルと結婚したら、アンジェリーヌはきっと幸せに…」
「そ、そんなこと、どうしてわかるの!」
「え?だ…だって…」
「ミカエル様が良い人だってことは私だってよくわかってるわ…
でも、良い人だから好きになれるとは限らないのよ!」
「え!!アンジェリーヌ、それじゃあミカエルのことが嫌いなの?」
「そうじゃないわ!
でも…でも…私は……」
「……僕、馬鹿だから、アンジェリーヌの言ってることがよくわからないよ。」
「もういいわ!
カパエルの鈍感!!」
「あ、アンジェリーヌ!」
アンジェりーヌは突然立ち上がり、走り去ってしまった。
(……僕って……どかんなの…??)
部屋に戻ったアンジェリーヌはベッドに突っ伏して泣いていた。
カパエルに会ったことで、自分の気持ちに気が付いてしまったのだ。
自分が愛しているのは、カパエルだということに…
だが、今更、「私が本当に好きなのは、ミカエル様ではなくカパエルです。」なんて言えるだろうか…
そんなことを言ったらあのミカエルを傷付けてしまう。
ミカエルだけではない。
カパエルもきっと傷つくはずだ。
(私…一体どうしたら良いの?)
その晩、夕飯も食べずに部屋に閉じこもったアンジェリーヌは一晩かけてじっくりと考えた。
(……やっぱり、私は自分の気持ちを偽ることは出来ない。
カパエルに本当の気持ちを伝えよう…
彼がそれに応えてくれてもくれなくても、私は自分のありのままの気持ちを伝えるべきなんだわ!)
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