第12章…双子の王子様1


「ねぇ、まだぁ?」

「あ…あぁ、すまなかったな。
もうすんだぞ。」

ミカエルは、カパエルの目隠しを取って、手鏡をカパエルに手渡した。



「ほら、見てみな。」

「……えっっ…?!これってミカエルの顔…」

「違う!俺がミカエル。
鏡に映ってるのは、カパエル、おまえだよ。」

「ええーーーーっっ!こ、これが僕…?!
でも、さっきまでこの顔はミカエルの顔だったのに…どうして?」

「難しいことは考えなくて良い。
とにかく、人間に戻れたんだ。喜べ!」

「そういえば、お二人はなんとなく似てらっしゃいますな。
あのカリスマ医師は…」

「ルー爺!!!」

「あわわわ…なんでもありません。」

「じゃ、とりあえず、親父とおふくろに報告に行こう。
カパエル、おまえも来るんだ。」

「うんっ!!」

「ええっっ!?」

カパエルが立ちあがった途端、ミカエルが素っ頓狂な声をあげた。



「なぁに?どうしたの?」

「ど、どうって…おまえ、なんでそんなデカイんだよ!
ルー爺!これはどういうことだ!?」

「どうって…お二人は成長期ですから、知らないうちに伸びていたんでしょうな。
カパエルは、かっぱになっていたゆえ、その時はそれが反映されなかっただけでしょうな。」

「ああ、そうか…って、なんで、カパエルだけこんなに伸びてんだって聞いてるんだ!」

「そうですな。
カパエルは180センチはありそうですなぁ…
う〜む…そうじゃ!カッパの食生活が、良かったのかもしれませんぞ。」

「そ、そんな!」

「ミカエル様もカッパの食生活を試してみてはいかがですかな?」

「バカヤロー!きゅうりばっか食ってられるか!」

「僕、きゅうりばっかり食べてるんじゃないよ〜」

「ミカエル様!人それぞれ、成長には遅い早いがございます。
ご心配せずともミカエル様もきっとそのうち大きくなられますよ!」

「そ…そうか…?
それにしても……おまえ、良い身体してるなぁ…」

「え?そうなの?」

「カパエルは毎日力仕事をしておりますからなぁ…
それでいつの間にかこんな筋肉質になったんでしょうな。」

「…………」



なんとなくカパエルに負けてるような気がして、どこか不愉快なミカエルだった…


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