お見合い20


「それで、ついにお前の秘密がわかったのだ!
お前は、元は人間だったのだ!
それも、私の双子の弟で、私と同じようにカッパにされてどこか遠くの町に連れ去られていたんだ!」



「えーーーーーーーっっ!!」



カパエルとルーファスの声が共鳴する。



「それで…だ。
今から、ルーファスが魔法でおまえを元の姿に戻してくれる。
なに、おまえはなにもしなくて良いんだ。
ただじっとしてればそれで良い。
痛くもかゆくもないからな。」

「えっ…で、でも、僕…」

「いいから…いいから。」

ミカエルはカパエルに目隠しをした。



「なに、これ?」

「気にするな。すぐに終わるからな。」



目隠しをしたカパエルを長椅子に座らせると、ミカエルがルーファスの所へにじり寄る。



「ルー爺、今までカパエルの秘密を調べてくれて本当にありがとう。
では、これから、ミカエルを人間に戻してくれ!」

「し、しかし、ミカエル様!」

ミカエルはルーファスの口を手の平で覆うと、小さな声でルーファスの耳元に囁いた。



(今から、俺がミカエルと俺の身体の入れ替えをする。
そしたらおまえはすぐに俺を人間の姿に戻すんだ!
わかったな!!)

(は、はいっっ!)



カパエルのそばに座り、ミカエルはカパエルと両手を合わせると押し殺した声で呪文を唱える…

一瞬ぴりぴりとした感触が走り、その瞬間、カパエルとミカエルの位置が変わった!



(ルー爺!今だ!)

(は、はいっっ!)



今度はルーファスが、カッパに向かって呪文を唱える…



ボンッッ!!



「おおっっ!!」

「な、なんでだ!?
ルー爺、鏡を!」

「は、ははっ!」

ルーファスが持って来た手鏡をミカエルに手渡した。



「こ、こ、これが、俺!」

鏡に映っていたのは、紛れもない本物のミカエルの顔だった。



(お、おいっ!なんで、こいつは元のおっさん顔に戻らねぇんだ?!)

(そんなことを言われましても、整形やエステで人工的に変えてしまったのですから、それは元には戻らないのではないでしょうか?)

(なんか、俺よりこいつの方がほんのちょっとだけカッコ良いんじゃないか?)

(そ、そ、それは…好みの問題ではないですか?
たとえば、キム●クファンとヤマ●ーファンがいるように…)

(そ…そうか…なら良いんだが…)


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