お見合い14


「……それだけですか?」

「え……?」

「男としての魅力は私にはないでしょうか?」

「そんなことはありませんわ。
その証拠に、あなたにはファンクラブまであって、たいそう人気者だということではありませんか。
お城にも毎日、ファンレターやプレゼントがあんなに山のように…」

「私が気になっているのはそんなことではないのです。
アンジェリーヌ様…あなたが、私のことをどんな風にお考えになっているのか…
それだけが気がかりなのです。」

「そ…それは…」

「私のことがお嫌いですか?」

「いえ…そんなことありません…」

「では…私と結婚していただけますか?」

「そ、そんな突然……」

「もしかして、他に好きな方がいらっしゃるのですか?」

「……いえ……」

「……では、私との結婚のことを前向きに考えていただけますね!」

「………は…はい。」

「本当ですか!」

「今すぐというわけではありません。
まだ、時間はかかると思いますが……考えてみます。」

「ありがとう、アンジェリーヌ様…」



(ふっふっふっ…ついにやった…!
やっぱり、カッパのことなんて関係なかったんだ。
当たり前だよな。
人間とカッパが恋に落ちるなんてありえねぇ!
あと一押しだ!)







「アンジェリーヌ、どうしたの?
今日はなんだか元気ないね。」

「なんでもないわ。
心配かけてごめんなさいね…
さ、魔法の特訓を始めましょう!」



(ミカエル様は本気なのね…
確かに、ミカエル様は良い方だけど…
まだ、ここへ来て二週間ですもの。
急に気持ちを決めろって言われても、そんなの無理よね…
もうしばらくしたら…もっとミカエル様のことを知れば…好きになれるのかしら…?)



「……!アンジェリーヌ!!」

「あ!カパエル!
何?どうしたの?」

「今の見てくれてなかったの?
昨日より大きな炎が出せたんだよ!」

「あ…ごめんなさい…ぼんやりしてて。
もう1回やってくれる?」

「アンジェリーヌ…今日のアンジェリーヌはおかしいよ。
なにかあったの?」

「それは…」

「僕はカッパだから、あんまりたいしたことは出来ないかもしれないけど、良かったら話してみて…」

「カパエル、ありがとう…
……実はね…」

アンジェリーヌは、ミカエルからプロポーズを受けたことをカパエルに話した。


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