お見合い6
「あなた、あんなこと言って良かったんですか?
いくら待ってもフィンラの姫様からのお返事は来ないと思うのですが…」
「そうだろうな。
しかし、あぁ1日に何度も手紙のことを聞かれるのではうるさくてかなわん。
合コンで可愛い娘でもみつかれば、あの姫のことは忘れるんじゃないか?」
「まぁ、そんな呑気なことを…
平民から妃を娶るようなことにでもなったらどうなさるおつもりですか?」
「そうなったらそうなったで、仕方ないではないか…
とにかく、ミカエルが落ち着いてくれるのが一番だ。」
「そうなのかもしれませんね…
小さい頃から王子としての教育が出来なかったのですから…」
国王と王妃は、顔を見合わせて深いため息を吐くのだった。
*
「姫様、もうじきノルディーナ王国ですぞ!
あそこに見えるのが、ノルディーナ城です。」
「あ…ノルディーナの城だ…!
懐かしいなぁ…」
馬車に揺られる事、丸一週間。
ようやく、アンジェリーヌとカパエルはノルディーナの国に辿りついた。
馬車はゆっくりと、ノルディーナ城の門の前に停まる…
カパエルが馬車を降りた時、ちょうど町から戻って来たルーファスとラビッツに出くわした。
「カパエル!カパエルではないか!!」
カパエルに気付いたルーファス達が二人に駆け寄る。
「あ、ルーファスさん!」
「おぉ、おぉ、無事だったか…
心配したのだぞ…!
今までどこに行っとったのじゃ?!
ん?…ところで、この美しい女性はどなたじゃ?」
「私は、フィンラの王女アンジェリーヌでございます。」
「フィンラ…どこかで聞いたような…」
「ルーファス様!」
ラビッツが、ルーファスにそっと耳打ちをした。
「な、な、なんと!あの大国フィンラの姫君でございましたか!
さ、さ!どうぞ、城の中へ…!」
ルーファスは、アンジェリーヌを城の中へ案内し、大慌てで王の所へ報告に走った。
「王様、王妃様、大変でございます!
姫様が!
フィンラの国の姫様が〜〜!!」
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