お見合い5
「……なんだかとっても軽薄な感じの王子様ね…」
「そうだな。いかにも女好きで頭悪そうって雰囲気だな。」
「お父様、カッパさんのご兄弟かもしれないんだから、そんなこと言っちゃだめです!」
「おぉ、そうだったな。
そうだ!この人のことをカッパさんに聞いてみたらどうなんだ?」
「そうですね!」
アンジェリーヌは早速カパエルを呼び、ミカエルの写真を見せた。
「カッパさん、この人知ってる?」
「…ううん、知らないよ。誰なの、この人?」
「ここに送られてきた写真なんだけど…
ノルディーナ王国のミカエル王子って書いてあるわよ。」
「えーーーっっ!そんなのおかしいよ。
だって、僕の人間の名前がミカエルなのに…」
「カッパさんがミカエル?
一体、どういうことなの?!」
「もしや、カッパさんがいなくなったのを良いことに、誰かがミカエル王子になりすましているのでは…」
「お父様、そんなことになってたら大変だわ!
早くカッパさんを連れていかなければ…!!」
アンジェリーヌとカパエルは、ノルディーナに向かってその日のうちに旅立った。
*
「親父!アンジェリーヌちゃんからの返事はまだ来てないのか?」
「またそれか…まだ来とらんとついさっき言ったばかりだろう。
フィンラの国は遠い。
手紙が着くのにもまだしばらくはかかるだろう。
だから、返事が来るとしてもまだ先のこと。
待ちきれないのなら、気晴らしに合コンとかキャバクラでも行って来たらどうなんだ?」
「なんだよ、いつも女遊びはやめろ!とか言ってるくせに…」
「それはそうだが…ま、そんなに急にやめることもないんじゃないか。
おまえはまだ若いんだし、まだ結婚してるわけでもないんだし…」
「ちぇっ!調子の良い事ばっかり言って…
わかったよ。じゃ、返事が来たらすぐに知らせてくれよ!」
「あぁ、わかった…!」
ミカエルはふてくされた顔で夜の街へと出かけていった。
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