お見合い5


「……なんだかとっても軽薄な感じの王子様ね…」

「そうだな。いかにも女好きで頭悪そうって雰囲気だな。」

「お父様、カッパさんのご兄弟かもしれないんだから、そんなこと言っちゃだめです!」

「おぉ、そうだったな。
そうだ!この人のことをカッパさんに聞いてみたらどうなんだ?」

「そうですね!」

アンジェリーヌは早速カパエルを呼び、ミカエルの写真を見せた。



「カッパさん、この人知ってる?」

「…ううん、知らないよ。誰なの、この人?」

「ここに送られてきた写真なんだけど…
ノルディーナ王国のミカエル王子って書いてあるわよ。」

「えーーーっっ!そんなのおかしいよ。
だって、僕の人間の名前がミカエルなのに…」

「カッパさんがミカエル?
一体、どういうことなの?!」

「もしや、カッパさんがいなくなったのを良いことに、誰かがミカエル王子になりすましているのでは…」

「お父様、そんなことになってたら大変だわ!
早くカッパさんを連れていかなければ…!!」

アンジェリーヌとカパエルは、ノルディーナに向かってその日のうちに旅立った。







「親父!アンジェリーヌちゃんからの返事はまだ来てないのか?」

「またそれか…まだ来とらんとついさっき言ったばかりだろう。
フィンラの国は遠い。
手紙が着くのにもまだしばらくはかかるだろう。
だから、返事が来るとしてもまだ先のこと。
待ちきれないのなら、気晴らしに合コンとかキャバクラでも行って来たらどうなんだ?」

「なんだよ、いつも女遊びはやめろ!とか言ってるくせに…」

「それはそうだが…ま、そんなに急にやめることもないんじゃないか。
おまえはまだ若いんだし、まだ結婚してるわけでもないんだし…」

「ちぇっ!調子の良い事ばっかり言って…
わかったよ。じゃ、返事が来たらすぐに知らせてくれよ!」

「あぁ、わかった…!」



ミカエルはふてくされた顔で夜の街へと出かけていった。



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