優しいお姫様4


「赤ちゃんにはAとBとCがあるんだよね?!」

「……えーーっと、私は書類の整理が…」

「あ!お父様、ずるいっっ!」

国王はそそくさとその場を立ち去って行ってしまった。



「ねぇ、アンジェリーヌ、赤ちゃんってどうやったら出来るの?」

「そ、そ、それはね……
……それは…そう!
お互いの気持ちが相手と同じ位『大好き』になったら出来るのよ!」

「そうなの…じゃ、僕とカパ子ちゃんは同じ位、大好きじゃなかったんだね…
きっと、僕の方の大好きが多かったんだね…」

「カッパさん!カパ子ちゃんのことは早く忘れて元気になってね!
たくさん食べて…あ、お料理が冷めちゃったわ。
ちょっと待ってね!」

アンジェリーヌが冷たくなった料理に向かって呪文を唱えると、料理からは温かい湯気が立ち始めた。



「うわっ!アンジェリーヌ、すごいや!
魔法が使えるんだね!」

「ええ。
でも、なんでも魔法で解決するのはあんまり好きじゃないから、めったに使わないの。
今日は特別よ!」

「アンジェリーヌ!
僕に魔法を教えてよ!
僕、魔術師になるのが夢で小さい頃からずっと修行してたんだけど、なかなかうまくならなくて…」

「そうだったの…
良いわよ。じゃ、明日から教えてあげる。
でも、なんでも魔法に頼ることはしないって誓ってくれる?
自分で出来る事は、自分でするのよ。」

「うん!わかった!」

「じゃ、お食事をいただきましょう!」

「うん!」

カパエルは、元気良くテーブルの料理を頬張った。


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