第10章…優しいお姫様1





「カパ子〜〜!!」

「じいちゃん!!」

カパ子とリカルドは強く抱きあった。
リカルドは、カパ子の顔を見た瞬間からすでに号泣している。



「じいちゃん、これ、旦那のカパディです。」

「初めまして!カパディです。」

「なんと?!おまえの結婚相手はカパエルではないのか?」

「違うの、カパディとはここに来て一目で恋におちたの…きゅ〜」

「カパ子、それでカパエルはどうしたのじゃ?」

リカルドの後ろから顔を出したルーファスがカパ子に尋ねた。



「それが…カパエルは何日か前にこの村を出ていったみたいなの…」

「村を出たと?!
一体、どこに行ったんじゃ?」

「そんなの知らない…」

「冷たいのぅ…」

「ルーファス、ワシはこのままこの村にとどまり、カパ子と暮らすことにする!
今まで世話になったな。」

「何っ?!おまえ、本気なのか?ここはカッパの村なのだぞ。」

「カッパの村だろうが、妖怪の村だろうがそんなことは関係ない。
カパ子と一緒にいられるならワシはそれだけで…」

「じいちゃん…!」

「……そうか…では達者でな。」

ルーファスとラビッツは手を振りながらリカルドに別れを告げた。



「ルーファス様、これからどう致しましょう?」

「そうじゃな…」

「あのぅ…あなた様は、カパエルのお知り合いで?」

二人に声をかけて来たのは見知らぬカッパだった。



「いかにもそうじゃが…
そういうおまえさんは?」

「私は、この村の村長代理をしておるカパリックというものです。
実はカパエルのことなのですが…」

カパリックはこれまでのいきさつをルーファスに話して聞かせた。



「そうか、そうだったのか…それは気の毒にのう…」

「早くカパエルをみつけてやって下さい!
カパ子のことで彼は相当にハートブレイクしているはずです。
馬鹿なことをしでかしやしないかと心配で…」

「ば、馬鹿なこと!?
わ、わかった!カパエルはわしが必ず見つけてみせる!」

カパリックにはそう言ったものの、ルーファスにはカパエルの行き先に心あたりはまるでなかった。



「カパエルの奴、どこへ行ったものやら…」

「お城へ戻っていれば良いのですが、すぐにお城に帰るとも思えません。
とにかく、このあたりから地道に探してみましょう…」


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