変身2


「ゼイゼイゼイ…こうなったら、もう最終手段ですな。」

揺さぶられて髪を振り乱したルーファスが呟いた。



「最終手段だぁ?今度はまともなアイディアなんだろうな!」

「はい…それはもちろん!」

「で、どういう案なんだ!?」

「それは…整形&エステでございます!」

「な、なにっ?」

「ミカエル様をお救いするにはもうそれしかありません!」



(がーーーん…)



ルーファスの言葉に少なからず衝撃を受けたルディだったが、このままずっとカパエルがみつからないことだってありうる…
そう、二人がすでに世を儚んで思いきった行動に出ていたりしたら…

いつみつかるかもわからないカパエルの帰りを待って長い間「おっさん王子」として生きるより、整形で新しい顔を得、明るい人生を歩んだ方が良いのかも知れない…



「よし!そうしよう!!」







早速、遠い異国からゴッドハンドと異名を取る優秀な整形外科医とカリスマエステティシャンが招かれた。

「ふむふむ、これはやりがいのあるクランケですな。」

「先生、こちらが王様、こちらが王妃様、そして、これがお小さい頃のミカエル様のお写真でございます。」

「えっ!!
失礼ですが、王様、王妃様は整形手術をお受けになったことは?」

「そんなことは一度もない!」

「私もですわ!」

「そうですか…では、ご先祖様に面白いお顔の方は…」

「いません!」

王も王妃もどこからどう見ても美形だった。
小さい頃のミカエルも、将来はジャ●ーズ事務所にスカウトされそうな顔をしている。



(なぜ、この王子だけがこんななんだろうな…?)

(ハッ?!もしかしたら、これは王妃様が浮気をして出来た子だったりして…?)

(そういえば、なんだかあの爺さんに似てないか?)

(まさか、いくらなんでもあんな爺さんとあの美しい王妃様が…考えられないわ。)

(わからんぞ!
男女の仲は微妙だからな…)



「何か…?」

声を潜めて密談をする外科医とカリスマエステティシャンの会話がぴたりと止まる。



「い、いえ……事情はよくわかりました!
では、差し障りのないように王妃様に似たお顔に致しましょう!」

「差し障りとは…?」

「いえ、何でもございません!
ご安心下さい!
私達は口が固いので有名ですから!」

外科医とカリスマエステティシャンはひきつった笑顔で微笑んでいる。


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