カッパーポンの村2


「あ、ミカタン!
あそこにお池があるよ!」

「本当だ!」

「甲羅も乾いて来たところだし、久しぶりに泳ぎましょうよ!」

「うん!そうだね!」

二人は仲良く池の中を泳ぎ出す。



「ミカタン、気持ち良いね〜!
それに、このお池の水、とっても綺麗!」

「本当だね。綺麗な緑色だね。」

「ミカタン、これはエメラルドグリーンっていうのよ。」

「そうなの?
カパ子ちゃんは物知りなんだね!」

すいすいと池の中を泳いでいると、池の中ほどあたりに小さな渦をみつけた。



「カパ子ちゃん!あそこにぐるぐるがあるよ!」

「ミカタン!近付いちゃだめよ!危ないわ!」

「えっ?そうなの?ぐるぐるは危ないの?
あ…あ…あれ…??」

渦を見続けたカパエルは、すっかり目を回してしまった。



「か、カパ子ちゃん…
僕、頭が…きゅ〜〜〜〜」

「ミ、ミカタン!
しっかりして!危ないっ!あ、あぁ〜〜〜っっ!」

渦に引き込まれそうなカパエルを助けようとしたカパ子は、カパエルもろとも渦の中に引き込まれてしまった。



「きゅ〜〜〜!!
ブクブクブク…」








「しっかりしろ!」

「わっ!!」

カパエルの目に映ったのは、カパ子ではないカッパの顔だった。



「こ、ここはどこ?」

「ここは…カッパーポン村じゃ。」

「か、カッパーポン村…?」

「そうじゃ、カッパの村の中でも一番の都会のハイカラな村じゃ。
全国のナウでヤングな若者が憧れる村なんじゃ。
おぬしらもここに憧れてやってきたんじゃないのか?」

「違うよ〜。僕らは池で泳いでてぐるぐるを見てたら、ここに来てたの。」

「なんと!
このカッパーポン村のことも知らんかったとは、おぬしら、よほどの田舎から来たんじゃな。」

「あ、そういえば、カパ子ちゃんは?」

「あの子なら、隣の部屋じゃ。
そうそう、わしはこの村の村長代理のカパリックじゃ。おぬしは?」

「僕はカパエル。ミカエルだけどカパエル。」



しばらくするとカパ子も気が付き、カパエルの部屋にやってきた。
二人はカパエルの身分には触れず、ここに来たいきさつをカパリックに話して聞かせた。



「そうか、そんな深いわけがあったのか…気の毒にのう…
ならば、ここで暮らしたらどうじゃ?
ここなら、人間にはみつからず二人で幸せに暮らせるぞ。」


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