ノルディーナ王国12


「そうだったのですか!!
だから、カッパのミカエル様に元に戻る呪文をかけても戻らなかったのですね!」

「そうだと思うぜ!
だから、まずは、俺とカパエルが身体を入れ換えてから、ルー爺が俺を元に戻す呪文をかけてくれりゃあ良いんだな!
早くやってくれよ!
そういやあ、カパエルはどこにいるんだ?」

「それが……」

ルーファスは、これまでの出来事を話した。



「な、なんだって〜!
じゃ、カパエルは行方不明だというのか?!」

「そうなのです。
昨夜から、皆で一生懸命探しておるのですが、まるで行方がわからず…
かなり思いつめておいでのようでしたから、万一のことがありはしないかと心配で…」

「万一のことって何だ…?!」

「たとえばですな…この世を儚んで心中とか…」

「し、心中…?!
ば、馬鹿なことを言うなよ!
第一、もしそんなことになったら、俺は…」



そう…一生、ルディの姿で生きていかなくてはならなくなるのだ…



「い、いやだ!18歳なのに、いつもおやじに間違えられるこんな姿で一生暮らすなんて、俺はいやだ〜〜!!」

「…確かに…そのお姿では、一生、お妃様ももらえないかもしれませんなぁ…」

「ルー爺!元はといえば、おまえのせいでこんなことになったんだぞ!
なんとかしろ!!」

ルディは胸倉を掴んでルーファスの身体を激しく前後に揺さぶった。



「おぉ…この乱暴な仕打ち…まさにミカエル様じゃ…」



「ルーファス、ミカエルはみつかったのか?!」

「あ、王様!大変です!実は本当のミカエル様が…!!」

「本当のミカエルだと…?
どういうことじゃ…?」

「父上!!」

「おまえは誰だ!
私はおまえのようなおやじに知り合いはおらんぞ!」

「王様、実は……」

ルーファスは、王に今までのことを話して聞かせた。



「なんと…!それはまことか!?
しかし、ミカエルよ、なぜ、よりにもよってそんなおやじと姿を変えたのじゃ…」

「あの時はとにかく人間になりたい一心で…
それにあの時の俺は元々自分が人間だったなんて思ってもいなくて…」

「そうだったのか…」




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