ノルディーナ王国8






「ミカタン、あ〜ん!」

「あ〜ん!」

カパエルは、カパ子の差し出すじゃがいもをおいしそうに頬張った。



「ミカタン、おいちい?」

「うん、おいちいよ!
カパ子ちゃんが食べさせてくれるのはなんでもおいちい!」

「きゅ〜〜〜〜〜」



(おい、リカルド!
カパ子が元気になったのは良いが、あれはちょっとやりすぎなんじゃないか?)

(別にカパ子が無理矢理やってるわけではないぞ!
ミカエル様もカパ子のことを気に入って下さってるんじゃ。)

(そうは言っても、ミカエル様は人間!
所詮、カパ子とは沿い遂げることなど出来ないのじゃぞ!
今のうちに二人を引き離しておいた方が二人のためなのではないか?)

(……そんなことはわかっておる!!)

(とにかく、一刻も早くミカエル様を元のお姿に戻してくれ…!
そうすれば、自然に別れることになるじゃろう…)

(……わかっておる!!)



「ミカエル様、お食事はすみましたかな?」

「うん、すんだよ〜」

「では、こちらへ。」

ミカエルの後をカパ子がついてくる。



「カパ子、じいちゃんはミカエル様と大切なご用があるから、おまえはそこで待っていなさい。」

「……あい」



リカルドはミカエルの身体を入念に調べる。

(フム、魔法は完璧なようじゃ。
ミカエル様の身体におかしい所はない…)



リカルドは、ルーファスがミカエルをカッパに変えた時の呪文と、元には戻す時に唱えた呪文を確認したが、いずれも間違いはなかった。



「おかしいのう…
どこにも間違いは見当たらん!」

「ほら、みろ!
あいつらめ、わしのことをもうろくじじいみたいに言いおってからに。
やっぱり、わしのミスではなかったというわけじゃな。」

「そうじゃ。本来なら、あの呪文ですぐに元に戻るはずなんじゃが…」

「では、なぜ、戻らぬ?」

「それが、皆目わからんのじゃ。
ミカエル様に術をかけたのはおまえに間違いはなかろうな?」

「あぁ、間違いない!」

「そうか…」

結局、リカルドにもミカエルが元に戻らない原因はわからなかった。


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