ノルディーナ王国6


ルーファスとリカルドとカパ子は、ラビッツの超高速運転で山を降りた。
帰りの道中では、さらに二名の魔術師が行方知れずとなった…



「ミカエル様!今日は心強い助っ人を連れて参りましたぞ!
ここにおるリカルドは偏屈なエロじじいですが、魔術にかけては、まぁ…なかなかたいした奴なのです。」

「そうなの〜?」

「ミカエル様、ワシが来たからにはすぐに元のお菅に戻してさしあげまするぞ。
ワシはこのルーファスなどとは違って、優秀ですからな。
あ、ミカエル様、これはワシの娘同然に可愛がっておるカパ子です。
こいつは、あなた様とは違って正真正銘のカッパです。
さ、カパ子、ミカエル様にご挨拶を。」

「あ…あ…」

「どうしたんだ、カパ子、そんなに真っ赤な顔をして…」

「初めて都会にやってきたんで興奮してるのかもしれんな。
あるいは、あのラビッツの運転のせいか…
とにかく、様子がおかしい。今日は早めに休ませた方が良いかもしれんぞ。」

「ルーファス…ありがとう。」

「ラビッツ、リカルドを部屋に案内してやってくれ。」

「はっ!」







「カパ子ちゃん、大丈夫かなぁ?」

「あとでわしが見て参ります。すぐに良くなるとは思うのですが…」




ルーファスが部屋に見に行くと、カパ子は赤い顔をして苦しそうに横たわっていた。
その傍らで、リカルドが不安そうに座っていた。



「一体どうしたというんじゃ、カパ子…」

「さっきより具合が悪くなっているようだな。
ラビッツ、医者をここへ…!」

「はっ!」

すぐに医者が連れて来られたが、医者にもカパ子の不調の原因はわからず首をひねるばかりだった。



「診たところ、どこも悪くはなさそうなのですが、こんなに身体が熱く息も苦しそうだということは…もしかしたら、カッパ特有の病気かもしれませんな。
カッパの病気となると、どう処置をして良いものやら…」

「そ、そんな!
先生、なんとかして下さい!
カパ子は、ワシの娘と同じ位大切な者なのです。
どうか、カパ子を助けてやって下さい!」

「そう言われましてもなぁ…」

「リカルドよ、明日には国中の医者を集めるゆえ、心配するな!」

「迷惑をかけてすまんな、ルーファス…しかし、カパ子はワシにとっては本当に大切な娘なんじゃ。」


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