ノルディーナ王国6
ルーファスとリカルドとカパ子は、ラビッツの超高速運転で山を降りた。
帰りの道中では、さらに二名の魔術師が行方知れずとなった…
「ミカエル様!今日は心強い助っ人を連れて参りましたぞ!
ここにおるリカルドは偏屈なエロじじいですが、魔術にかけては、まぁ…なかなかたいした奴なのです。」
「そうなの〜?」
「ミカエル様、ワシが来たからにはすぐに元のお菅に戻してさしあげまするぞ。
ワシはこのルーファスなどとは違って、優秀ですからな。
あ、ミカエル様、これはワシの娘同然に可愛がっておるカパ子です。
こいつは、あなた様とは違って正真正銘のカッパです。
さ、カパ子、ミカエル様にご挨拶を。」
「あ…あ…」
「どうしたんだ、カパ子、そんなに真っ赤な顔をして…」
「初めて都会にやってきたんで興奮してるのかもしれんな。
あるいは、あのラビッツの運転のせいか…
とにかく、様子がおかしい。今日は早めに休ませた方が良いかもしれんぞ。」
「ルーファス…ありがとう。」
「ラビッツ、リカルドを部屋に案内してやってくれ。」
「はっ!」
*
「カパ子ちゃん、大丈夫かなぁ?」
「あとでわしが見て参ります。すぐに良くなるとは思うのですが…」
ルーファスが部屋に見に行くと、カパ子は赤い顔をして苦しそうに横たわっていた。
その傍らで、リカルドが不安そうに座っていた。
「一体どうしたというんじゃ、カパ子…」
「さっきより具合が悪くなっているようだな。
ラビッツ、医者をここへ…!」
「はっ!」
すぐに医者が連れて来られたが、医者にもカパ子の不調の原因はわからず首をひねるばかりだった。
「診たところ、どこも悪くはなさそうなのですが、こんなに身体が熱く息も苦しそうだということは…もしかしたら、カッパ特有の病気かもしれませんな。
カッパの病気となると、どう処置をして良いものやら…」
「そ、そんな!
先生、なんとかして下さい!
カパ子は、ワシの娘と同じ位大切な者なのです。
どうか、カパ子を助けてやって下さい!」
「そう言われましてもなぁ…」
「リカルドよ、明日には国中の医者を集めるゆえ、心配するな!」
「迷惑をかけてすまんな、ルーファス…しかし、カパ子はワシにとっては本当に大切な娘なんじゃ。」
- 129 -
しおりを挟む
コメントする(0)
[*前] | [次#]
中編集トップ
章トップ