ノルディーナ王国4


「リカルド!おるのか?
わしじゃ、昔、同級生だったルーファスじゃ!」

しばらくすると、リカルドの家の扉が開いた。



「なんじゃ、あほのルーファスか…
おまえもずいぶんとじじぃになったのぅ…」

「誰があほなんじゃ!
それに、じじぃになったという点ではおまえの方がうんと上じゃ!」

「ふんっ!
いつも、ワシの方が成績は上じゃった。
おまえはいつもワシの次だったよな…」

「じゃが、保健体育はいつもわしの方が上じゃった。
それに…バレンタインデーのチョコの数もな…」

ルーファスがにやっと笑う。



「ふんっ!
あんなもの、みんな、義理チョコじゃないか!」

「おまえはその義理チョコさえ、もらえんかったのぅ…」

「かーーーっ!
昔から本当におまえというヤツはムカつくことばかり言いおって!
カパ子、塩を持って来るんじゃ!」

「あいっ!」



「おおっ!カッパじゃ!」

周囲にざわめきが広がった。



「リカルドよ!
少しでええ、そのカッパを調べさせてはくれんか?」

カパ子と呼ばれるカッパは、不安そうにリカルドの後ろに隠れる。



「いや、危険なことも痛いことも何もない。
ただカッパのことを調べるだけなのじゃ。
頼む、リカルド!
我が国のためなのじゃ!」

「断る!」

「なぜじゃ!」

「ワシはおまえが嫌いだからじゃ!」

そう言ってリカルドはバタンと扉を閉めてしまった。



「リカルド!リカルド!
開けてくれ!
頼む、お願いじゃ!」

しかし、扉が開くことはなかった…



「困ったものじゃ…どうしたものか…」

「ルーファス様、私に策が…」

「ラビッツ、何か良い案があるのか?」

「はっ!私にお任せを…!」



ルーファスはいつもの俊足で山をかけおりると、今度は荷車をひいて戻ってきた。

荷車に乗っていたのは、ナイスバディの金髪美女軍団だった。



「ラビッツ…まさか色仕掛けで落とそうというのか?!
あいつはそんなことでは…」

その時、リカルドの家の扉が静かに開いた。
そこには満面の笑みをたたえるリカルドの姿があった…



「リカルドサン、カッパチャン、シラベテイイデスカ?」

「あぁ、構わん、構わん。なんぼでもしらべたらええ。
ついでに、わしの身体も調べてええぞ〜」

偏屈じじいからセクハラじじいと化したリカルドが妖しく微笑む…


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