ノルディーナ王国3


次の日、ノルディーナ王国の町におふれが出された。



「かっぱ募集!(男女問わず)
自薦も可。
豪華な褒美あり。」



「おいおい、見てみなよ!お城でカッパを募集してるんだってよ。」

「豪華な褒美って、何をくれるんだろうな?」

「でも、最近は野良カッパもめっきり減ったしなぁ…」

「あ!そういえば、山奥に住んでる偏屈じいさんが昔カッパを飼ってなかったか?」

「そうだったな!確かそんな話を聞いたことがある!
一応、お城に報告しとくか?」

若者達は、お城に早速そのことを報告に行った。



「なにっ?
山奥の偏屈じいさんといえば、わしの魔法学校時代の同級生のリカルドのことか!?
そういえば、ずいぶん昔、わしもそんな話を聞いたことがあったぞ!
よし、皆の者!
早速、リカルドの家に向かうぞ!」

「あの……ルーファス様……褒美は…?」

「そうじゃったな!
本物のカッパではなかったが、有力な情報だったゆえ…
ラビッツ…例のものを…!」

「ハッ!」

ラビッツは色紙とサインペンを差し出した。

ルーファスはそれを受けとると、慣れた手付きでサラサラとサインを書いた。



「ほ〜れ、わしの直筆サインじゃ!
それと特製ストラップじゃ。
わしのミニフィギュア付きじゃぞ!
プレミアがすごいぞ、きっと。」

若者はげんなりした顔付きで、サイン色紙とストラップを受けとる。

ルーファスが出ていったのを見てとると、若者達は悪態をつきながらサインとストラップをゴミ箱に投げ込み帰って行った。

ラビッツは、素早くそれらを回収すると、倉庫に眠らせた…



(ルーファス様よ…いつになったらお気付きになるのです…)

ラビッツは流れ出る一筋の涙をそっと拭った…







「リカルドのヤツ、なんでこんな山奥に…ゼイゼイ…」

「ルーファス様〜、魔術師2名、賢者1名、合計3名がおりませぬ〜!
途中で遭難した模様です〜!」

「捨ておけ…
ここまでも来られんような者に魔術師や賢者の資格はない!
それが自然の掟と言うものじゃ…」

遠い目をして語るルーファス…

おまえは一体何者なんだ…


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