過去2


カパエルはルーファスの話に小首をかしげながら、食事を続けていた。



「じゃあ…僕は、ルディじゃなくてカパエルでもなくて、本当はミカエルだってこと??」

「ルディ…?
その名前、どこかで……
おぉ、そうじゃ!
ばかおやじの魔術師の名前ですな!」

「違うよ。ルディは僕のために…」

「ミカエル様は、騙されておいでなのです!
そいつは、町をめちゃくちゃに壊した極悪人だというではありませんか!
きっと、ミカエル様のこともなにかに利用しようと考えていたに違いありません!」

「そんなことないよ…ルディは僕のことを…」

「ミカエル様!
そんな者のことは早くお忘れになって、一刻も早くノルディーナ王国へ帰りましょう!
王様や王妃様もどんなにお喜びになられることか…!」

「えっ、でも、僕、魔術師になる修行が…」

「何をおっしゃっておるのです!
そんなことなら、この爺がお城でいくらでもお教えいたしますぞ。
こうみえてもわしはノルディーナ魔法学校の理事長をしておるのですぞ。
そういえば、ミカエル様はまだお小さい頃から魔法の才がおありでしたな。
王妃様は、先天的に類い稀なる魔術の才を持たれたお方ですゆえ、あなた様もその血を受け継がれたのですな。
ほら、ご覧下さい。
ミカエル様がお小さい頃、わしに向かって火の魔法を使われた時に出来たやけどの痕がまだ残っておりますぞ…」

そう言って、ルーファスは嬉しそうに微笑みながらしわだらけのお尻をさらけ出す…



ラビッツは咄嗟にモザイクの魔法をかけた…


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