大事件!12


「おお、おぉ、ミカ…いや、カパエル様〜〜〜!!」

扉が開き、ロイドとカパエルが部屋に入った瞬間、ルーファスがカパエルに抱きつきオイオイと泣き出した。



「おじいさん、だぁれ?」

「か、カパエル様!
この爺をお忘れか…
昔は『ルー爺、ルー爺』と、あれほどわしのそばをお離れにならなかったのに…
いやいや、無理もありませんな。
あれからもう10数年の歳月が流れているのですから…」

「??なんのこと?」

「なにも覚えておいでではないのですな、おいたわしや…
しかし、もう心配はいりませんぞ!
今、すぐに元のお姿に戻してさしあげますゆえ…」

そう言うと、ルーファスはカパエルに向かってなにやらブツブツと呪文を唱え始める。



「でぇぇぇ〜〜い!」

ルーファスの気合いと共に、ボン!と、カパエルのまわりに白い煙が立ち込め、そして…



「な、な、なぜじゃあ〜!!!」

カパエルは何も変わらなかった…



「ルーファス様、呪文をお間違えになられたのでは…?」

「バカタレ!
わしのことをもうろくじじいみたいに言うな!
こんな大切な時に呪文を間違えるわけがないじゃろう!」

「念のため、もう一度やってみられてはいかがですか?」

ラビッツに言われ、少しいじけながらルーファスはもう一度呪文を唱え始める…



「でぇぇぇ〜〜い!」

ボン!と、カパエルのまわりに白い煙が立ち込め、そして…



……やっぱり、カパエルはかっぱのままだった。



「な、なぜなんじゃ…」

がっくりとうなだれるルーファス。



「一体、何がどうなってるんです?」

「……お騒がせしてしまって申し訳ありませんでしたな。
これは些少ではございますが、カパエル様を預かっていただいたお礼です。
本当にありがとうございました。」

「き、き、金貨だ…!!」

「ははぁ〜〜!
ありがとうごぜえますだ〜〜」

久しぶりに見る金貨にロイドと親方は平伏した。



「では、行きましょうか。」

「あ、カパエル様、これを…」

ラビッツは頭のすっぽりかくれるフードのついた長いローブをカパエルに着せた。



「どこ行くの?」

「町の宿屋です。
そこで、今までのことをゆっくり説明いたします。」


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