大事件!9
「ルーファス様!
汚いではありませんか!」
「すまん、すまん!
あまりにびっくりして…
それで、ご主人、カッパのことなんですが、一体どこで見られたのですか?!」
「何日か前に町にふらっとやってきましたね。
でも、すぐに出ていきましたよ。」
「あ、あのカッパなら、男がずだ袋に入れて持っていくのを見ましたよ。
売り飛ばされたか…いや、カッパなんて買う奴はいないだろうから…
保健所にでも連れていかれたんじゃないかなぁ?」
「ほ…保健所…」
若いコックの話にルーファスは目の前が真っ暗になってばったりと倒れる。
「ルーファス様!お気を確かに…」
「…………」
「ルーファス様!!」
「…………」
「あ!ボインちゃんだ!」
「な、なにっ?!
ボインちゃん?!どこじゃ?どこなんじゃ?」
一瞬にして、あたりがまっ白な空気に包まれた…
「……………ふむふむ…
カッパはずだ袋に入れられて連れ去られた…と。」
ルーファスはわざとらしく鉛筆をなめながら手帳にメモをした。
「して、その男に見覚えはありませんかな?
どんな男でしたかな?」
ルーファスのわざとらしい芝居にうんざりしながらも、突っ込むのも面倒なので、「ボインちゃん」の件は、皆、忘れることにした。
「あのメガネは確か…あほのロイドだったような…」
「あほのロイド…?!」
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