大事件!8
*
「ぜぃぜぃぜぃ…
ラビッツや…しばらく休まぬか…」
「しかし、ルーファス様…
早く、ミカエル様をお助けしなくては…!」
「それはそうじゃが、こう見えてもわしは相当な爺さんじゃぞ。
三日三晩も飲まず食わず、さらに眠っておらんのじゃ。
こんな生活では身体がもたん…」
「…わかりました。
では、次の町で一休みしましょう。」
そういうと、ラビッツはまたいつもの俊足で荷車を引いていく。
ドドドドドーーーー
ひぇぇぇぇーーーー
*
「ルーファス様、着きましたよ!
ルーファス様…!!」
「…お…お花畑が…死んだばあさんが…」
「ルーファス様!!」
「ハッ…!!
いかん、いかん。
遠い世界に行く所じゃった…
おぉ、着いたか!
では、早速、何か食べに行くとしよう。」
ルーファスはラビッツと共に一軒のレストランに向かった。
「おぉ…三日ぶりの食事じゃ…
ありがたや、ありがたや…」
ルーファスは、料理の皿を前に掌をこすりあわせて涙ぐんでいる。
「はぁ〜…食った、食った。
デザートはマンゴープリンが良いかのぅ?
それとも、あんみつにしようかのぅ…
そうだ!両方食べようっと!」
おなかの膨れたルーファスは上機嫌でデザートを選ぶ。
「ご主人!」
「へい、なんでしょうか?」
「このあたりでカッパを見たことはありませんか?」
ラビッツの言葉を聞いて、食べることに夢中になっていたルーファスは自分を恥じた。
(わ、わしは、ミカエル様のことを忘れてこんなものに…)
マンゴープリンとあんみつが涙でにじんで揺らいで見えた。
(…この男…たいしたものじゃ…
この男を弟子にしたのは間違いではなかった!)
意外としっかり者のラビッツの行動にいたく感心するルーファスだった…
「カッパ…?…あぁ、見ましたよ!」
「ぶっ!」
あまりの衝撃に、ルーファスは食べていたマンゴープリンを吹き出した。
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