大事件!8






「ぜぃぜぃぜぃ…
ラビッツや…しばらく休まぬか…」

「しかし、ルーファス様…
早く、ミカエル様をお助けしなくては…!」

「それはそうじゃが、こう見えてもわしは相当な爺さんじゃぞ。
三日三晩も飲まず食わず、さらに眠っておらんのじゃ。
こんな生活では身体がもたん…」

「…わかりました。
では、次の町で一休みしましょう。」

そういうと、ラビッツはまたいつもの俊足で荷車を引いていく。

ドドドドドーーーー

ひぇぇぇぇーーーー







「ルーファス様、着きましたよ!
ルーファス様…!!」

「…お…お花畑が…死んだばあさんが…」

「ルーファス様!!」

「ハッ…!!
いかん、いかん。
遠い世界に行く所じゃった…
おぉ、着いたか!
では、早速、何か食べに行くとしよう。」

ルーファスはラビッツと共に一軒のレストランに向かった。



「おぉ…三日ぶりの食事じゃ…
ありがたや、ありがたや…」

ルーファスは、料理の皿を前に掌をこすりあわせて涙ぐんでいる。



「はぁ〜…食った、食った。
デザートはマンゴープリンが良いかのぅ?
それとも、あんみつにしようかのぅ…
そうだ!両方食べようっと!」

おなかの膨れたルーファスは上機嫌でデザートを選ぶ。



「ご主人!」

「へい、なんでしょうか?」

「このあたりでカッパを見たことはありませんか?」

ラビッツの言葉を聞いて、食べることに夢中になっていたルーファスは自分を恥じた。



(わ、わしは、ミカエル様のことを忘れてこんなものに…)

マンゴープリンとあんみつが涙でにじんで揺らいで見えた。



(…この男…たいしたものじゃ…
この男を弟子にしたのは間違いではなかった!)

意外としっかり者のラビッツの行動にいたく感心するルーファスだった…



「カッパ…?…あぁ、見ましたよ!」

「ぶっ!」

あまりの衝撃に、ルーファスは食べていたマンゴープリンを吹き出した。


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