大事件!4
「おじさん達…どうかしたの??」
「い、いや、なんでもないんだ…
あ、そうだ、かっぱ!おまえは誰かに飼われてるのか?」
「ううん、飼われてないよ。」
(チッ…ノラかっぱか…
金持ちにでも飼われてたら、身代金が取れたのに…)
「ロイド…ちょっとこっちに来い。」
「なんだい?親方。」
「あのかっぱを山に捨ててきな!
あんなのがいたら面倒だ。
第一、えさ代もないのにどうすんだ!」
「えぇ〜〜っ!
おいら、いやだよ、そんな役。
可哀想じゃないですか〜…」
「元はといえば、あんなのを連れて来たおまえのせいなんだぞ。
それともなにか?
おまえの食事をあいつにやって食わせるか?」
「そんなことしたら、おいらがくたばっちまう!」
「そうだろう?
だから、捨ててくるしかないんだ。
うまいこと言ってさっさと逃げてきな。」
「うまいことって、どうやれば…」
「手間のかかる奴だな!
……よし、じゃ、こうやってきな。」
カパエルは再び、麻袋に入れられ、遠くの山に連れていかれた。
*
「ここ、どこ〜?」
「いいか、今からかくれんぼをするぞ。
最初はおまえが鬼だ。
100000数えたら、俺を探すんだぞ!」
「100000…
数えられるかなぁ?
わかった!僕、頑張るよ!」
ロイドは心の中でカパエルに手をあわせ、その場を離れた。
(かっぱ…ごめんな。
良い飼い主さんに拾われるんだぞ…!)
ロイドは溢れそうになる涙を必死にこらえながら、山道を走った…
「1…2…3…4…5…」
真っ暗な山の中に、カパエルの声だけが響き渡る…
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