朝食を済ませて外へ出ると、門の前に一台の見なれない馬車が待っていた。

「レヴ様!おはようございます。」

「おはよう、リーズさん。
今日はよろしくお願いします。」

皆は馬車に乗り込んだ。



「こちらはリーズさんだ。
そしてこちらが…」

レヴはリーズに三人の紹介をした。



「リーズは昔からレヴの友達なのかい?」

「い、いえ!とんでもありません!
昨夜、フレデリック様のパーティで初めてお会いして…」

「初めて?
レヴ…あんた、本当に手が早いんだから…」

「人聞きの悪いことを言うな。
リーズさんはこのあたりにお住まいだとお聞きしたので、せっかくだからこのあたりを案内してもらおうと思っただけだ。」

「フレデリックさん達は別の馬車で来られるのですか?」

「いや、彼は仕事があるのでな。
ローラも今日は用があるらしい。
だいたい彼らはここに住んでるのだから特に目新しいものもないだろうしな。」

車内で雑談に花を咲かせているうちに、一行は、大きな湖のほとりに着いた。



「これは見事な…」

「とても美しい湖でしょう?
レヴ様は湖はお好きですか?」

「えぇ…好きですよ。
湖を見ていると、なんとも言えない怖さと同時にやすらぎを感じるのですよ。」

(…本当にあのお二人は昨夜会われたばかりなんでしょうか?
なんだかとても親しげに見えますね。)

(本当ですね…
まるで昔からのお知り合いみたいですね…)

ヴェールとジネットの会話に、サリーは眉をひそめた。



「レヴ〜〜!
お腹減ったよ!」

「…そうか。では、そろそろ昼食にするか。」

「では、私、持ってきます。」

リーズは馬車の中から両手に大きなバスケットを持ってきた。



「あ、リーズさん…大丈夫ですか?」

あまりにもバスケットが大きいので、ジネットはリーズに声をかけ、手を差し出した。



「あ、はい。
ありがとうございます。」

「まぁ、重いですね!」

「ちょっと作りすぎてしまいました。」


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