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やがてピエールの家での夕食も済み、サリーは今夜もピエールと飲むと言い、ジネットはまた一人で休む事となった。



「まぁ…」

ジネットがバッグから取り出した写真は折れ曲がりしわになっていた。



(大変!いつこんなことになったのかしら…?)

ジネットは手の平で懸命にしわを伸ばそうとする。



(ごめんなさいね、ダニエルさん…
いつの間にかこんなしわになってしまって…
明日はレヴさんのお宅へ行くんですよ。
そこを出たらまた新しい旅が始まります。
今度こそあなたの息子さんがみつかりますように…!
「V」という頭文字のあなたの息子さん…ヴィクトル様?ヴァレリー様…?
それとも森の民風のお名前なのかしら?
こんな手がかりしかないけど、私はこのおかげで大きな希望が持てましたわ。
ダニエルさん…
どうか、私を見守っていて下さいね。)



そう言ってジネットは写真を胸に抱きしめた。
バッグに収めようとして、ジネットの視線はベッドの脇の本棚に留まった。



(そうだわ、今夜一晩本の間にはさんでおけばしわが伸びるかもしれないわ。)

ジネットは、一冊の本の間にダニエルの写真をはさみこんだ。



(…おやすみなさい。ダニエルさん…)





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