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「……っていうわけなんだよ。」

サリーは今までのいきさつをかいつまんでピエールに話した。



「…そうか…そんなに大変な旅だったのかい…
しかし、よくぞ助かった…
ヴェールさんも苦労したんじゃのう…」

ピエールは皺がれた瞳にたまった涙を指で拭った。



「それで、理由はわからんがあの娘さんが森の民のことを調べている…だから警戒しているということなんじゃな。」

「あ!そうそう、忘れる所だった。
あたしさ、そのことで今朝ひらめいたんだよ!」

「何をだ?」

「ジネットはさ、大切な人を探してるって言ってたじゃないか?
でも、どんな人を探してるのはいまだに教えてくれない。
それはもしかしたらさ、その人が森の民だからじゃないのかな?」

レヴもヴェールもサリーのその言葉に息を飲んだ。

サリーの想像した通りだとしたら、今までのジネットの行動にも納得がいく。



「だから、ジネットさんは森の民のことを調べていたということですか…!」

「あのジネットさんが、森の民を悪いことに利用しようとしていたとは思わなかったが、そういうことなら理解出来るな…」

「たまには私も頭が冴えるだろ?」

サリーは得意気に口端を上げた。



「本当だな。
めったにあることではないから、明日は雨かもしれないな。」

「また、そんな憎たらしいこと言う!!」

「…しかし、もしそうだとしても、どうやって話を打ち明けさせるかが難しいですよね…」

「直接、聞けば良いじゃないか。」

「ジネットさんは君のような図太い神経はしていない。
うまく話を進めないと逆に警戒されるかもしれないからな。」

「あぁ、あぁ…
どうせ、私は図太いですよ!」

「まぁまぁ、そんなことで喧嘩せんで良かろう…
夜も更けた。
今夜はもうこのあたりにして、休んだらどうじゃ?」

ピエールの言葉に従い、レヴとヴェールはピエールの部屋を後にした。


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