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レヴは自分ではずいぶん丸くなったと思っていたのだが、サリーの言葉にはいまだに腹が立つことがある。



(……言い返さなくなっただけでもマシか…)

サリーに悪意がないこともわかってはいる。
ただ、彼女は無神経なだけなのだ。
今まで、自分のまわりにいないタイプなだけに違和感を感じてしまうだけなのだ…

レヴは、自分にそう言いきかせて、こみあげる苛立ちを飲み込んだ。



やがて、太陽がかげり始めた頃、四人はピエールの店に着いた。
通路を埋め尽さんばかりにがらくたが並べられた店内は以前と少しも変わってはいない。



「ピエール!」

「誰じゃ?」

サリーのけたたましい声を聞き付けて、店の奥からピエールが現れた。



「あんた、まさかこのあたしを忘れたってんじゃないだろうね!」

「…サリー…!!
サリーじゃないか!」

「ああ、そうさ、サリーだよ!
会いたかったよ、ピエール!!」

「サリー!!」

二人はひしと抱き合い、涙を流して再会の喜びを噛み締めていた。



「ピエールさん、おひさしぶりです。」

「あ!あんたは…!!
ややっ!あのアマゾナイトの指輪がないぞ!」

「あ、ピエール…ちょっとこっちへ…」

サリーはピエールを店の片隅に呼び寄せ、小さな声でそっと耳打ちをした。



(…ピエール、詳しい事情は今夜話すからさ。
あの子…ジネットっていうんだけどさ、あの子の前ではレヴの指輪については一切話さないでくれるかい?
あと、おかしな話も出るかもしれないけど、あたしに口裏をあわせといておくれ。)

(わかった。何か事情があるのじゃな!
大丈夫じゃ!
わしに任せときな!)

サリーは店の入り口にいたジネットとヴェールを呼び寄せた。



「こっちが今一緒に旅をしてるジネットとヴェールだよ。
これが、あたしの古くからの友達…っていうか…
まぁ、あたしの身内みたいなピエールだよ。」

各々の紹介がすむと、ピエールはサリー、ジネットを連れ、夕食のための食材を買いにでかけた。


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