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(…どうしよう?
わざわざ聞かない方が良いかしら?
でも、こうなったら聞かない方が却っておかしいわね…)



「あの…レヴさん…
昨夜、緑色の髪と肌の人間のお話されてましたよね…」

「あぁ…あれですか…
あれは、ただのおとぎ話ですよ。
誰一人としてそんな人間を見た者はいないんですから。
なぁ、ヴェール、緑の髪と緑の肌色の人間がこの世にいるなんて信じられるか?」

「信じられませんね。
そんな人間がいるのなら、ぜひ見てみたいものですね!」

「どこにでも馬鹿馬鹿しい伝説ってあるもんだね!」

そう言いながら、三人はどこか大げさに笑う。



(……良かった……
レヴさん達は信じてなかったんだわ。
心配することなかったんだわ。
でも……やっぱり、私はそういう存在なのね…
私がそういう人間だと知ったら、皆さんはどんな風に思われるかしら……)

三人の話を聞いて、ジネットは安堵感と切なさの入り混じった複雑な気持ちを感じていた。



ヴェールは今度もわざとぎこちなく森の中を進んで行った。



「だいぶ明るさが増して来ましたね!
出口は近いと思いますよ!」

それからは進む度に明るくなっていくのが感じられ、そしてついに森の出口に辿り着いた。



「良かった。
君のおかげで無事にこの森を通りぬけることが出来た。
君なら、暗き森の案内人になれるんじゃないか?」

「やめて下さいよ。
あんな暗い森に住むのはごめんです。
私はフクロウじゃないんですから!」

そんな冗談を言い合う二人をサリーは神妙な顔つきでみつめていた…



(…あんたたち…そんなことを言い合うようになれたんだね…)

以前のヴェールにはとても言えないジョークだった。
いつの間にかヴェールは強くなり、そしてレヴとヴェールの間には強い信頼関係が築かれていることをサリーは感じた。


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