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その晩遅く、レヴはヴェールの部屋を訪ねた。



「リーズさんが回復されたということは、魔石のことはもう解決したと考えて良いのでしょうか…?」

「おそらく…そうだと思う。
やっと、私達の旅は終わったんだな…」

「そうなんですね…
……レヴさん…長い間、本当にありがとうございました。
私は、これからは森の民の長として、森で暮らします。
外の世界に来ることは、この先、もうないかもしれませんが、レヴさんは気が向いたらぜひ遊びに来て下さい。」

「……君にとっては辛い旅になってしまったな…」

「…しかし、辛いことばかりではありませんでしたから…
きっといつの日か、笑って話せる日が来ると思います。」

「……折りを見て、リーズにはすべてを話そうと思っている…」

「すべてを…何もかもということですか?」

レヴは黙ってうなずいた。



「言う必要のないことは言わない方が良いのではないでしょうか?
言えば、リーズさんによけいな負担をかけることになってしまいます。」

「……それでも言わなくてはならんのだ…
それと…君に頼みたいことがある…」

「頼みたい事?…なんですか?」







次の日、ヴェールとレヴは用があると言って、朝早くに馬車ででかけた。



「まったく、レヴも何を考えてるんだろうね。
せっかくリーズに会えたっていうのに、昨夜はヴェールと一晩中話してたみたいだし、今日は勝手にでかけちゃうし。」

「レヴ様にはきっと大切なご用があるんですわ。」

「あんたね、そんなものわかりの良いことばっかり言ってちゃ駄目だよ。
しっかりつかまえとかないと、また旅に出るとか言い出しかねないよ、あの男は。」

「良いんです。
レヴ様がそうなさりたいのなら、私はまたお帰りを待ってます。
決断されたら、どうせ私が止めたって止まりませんもの。」

「…さすが、よくわかってるね…」



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