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「レヴ!戻ったのか!」

「父上、母上、ご心配をおかけしました。
今、戻りました。」

リーズが目を覚ましたのは、数ヶ月程前のことだったらしい。
おそらく西の塔の魔女が言った通り、魔石が砕け散った時にリーズは目を覚ましたのだろうと三人は思った。
魔石の消滅…それは、ジネットの命が終わりを告げた時…
リーズの回復はたとえようもなく嬉しいことではあったが、それを考えるとレヴは心が痛んだ。



「私が目を覚ました時の両親の驚きようは大変なものでした。
私は、いつものように目を覚ましただけなのに…
それからしばらくして、私は自分がとても長い間眠っていたことを知って、今度は私の方が驚きました。」

体調は至って快調だったが、寝たきりだった間に弱りきった筋肉を少し回復してから、リーズはここへ来たのだという。



「リーズさんはおまえがいつ帰ってきても良いようにと、毎日、部屋の掃除をして花を生けて下さってたのだぞ。」

「お義父様、それは私の運動のためですよ。
長い間、眠ってたから身体がなまっていたんです。
それだけのことですわ。
それに…そうやってると、レヴ様が今すぐにでも帰って来て下さるような気がして…」

「相変わらず、健気だねぇ…
でも、本当に良かったよ…
あんた、二度と危ないことはするんじゃないよ!
もう心配するのはいやだからね!」

「サリーさん…ありがとうございます。
私、今回は本当にそのことを痛感しました。
私の無謀な行動のせいで、周りの皆に迷惑や心配をかけてしてしまって…
これからは十分気をつけます。」

その晩の夕食は、笑いに包まれた和やかなものとなった。
ヴェールの希望により、ジネットの事は話さないことになった。
隠しておくことは心苦しくもあったが、話せばよけいにヴェールが沈みこんでしまうかもしれない…
レヴはそう考え、ジネットは家に戻ったということにしておいた。


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