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久しぶりの訪問にピエールはとても嬉しそうな笑顔で、三人を出迎えた。
これから報告しなければならないことを考えると、三人の胸は痛んだ。



「ピェール…実は今日は悲しい報せがあるんだ。」

「どうしたんじゃ?何があったんじゃ?」

「ジネットが…
……ジネットが死んだんだ…」

「なんじゃと!ジネットさんが…!?
一体、どうしたんじゃ!」

皆は、最近の出来事をかいつまんでピエールに話して聞かせた。



「で、では…あの男の言ってた石が…!!」

「あの男…?どういうことですか?」

「実はな、あんたらが発ってしばらくした頃、この店に見知らぬ男がやってきてな。
あの時の倍の値段を払うから、あのルビーを返してほしいと言うんじゃ。
わしには全く覚えのないことじゃから、話を聞いてみると、ここにいた髪の長い女の店員にルビーを売ったと言うんじゃ。
髪の長い女といえば、サリーかジネットさんじゃが…サリーならわしに言わないわけはない。
それにサリーが店番をしたことはなかったはずじゃ。
……ヴェールさん、覚えていなさるかな?
わしとあんたが買い物に行った時、ジネットさんが店番をしててくれたことがあったじゃろ?
もしかしたら、あの時のことじゃないかと思うたんじゃ。」

「確かにそんなことがありましたね!
しかし、ジネットさんはお客のことは何も言われなかった。」

「そうじゃ…
ただ、思い起こしてみれば、ジネットさんがルビーのことを言い出したのがちょうどその頃ではなかったかと思うんじゃ。」

「私はそんな男はまるで覚えがないから、やっぱりジネットのことなんだろうね。
……そっか!わかったよ!ジネットはその男が売りにきたルビーを買って黙ってたから、あたし達の前では付けなかったんだ!
だから、魔石の影響も受けなかった…
でも、絆の家には誰も来ることはないとわかってるから、付けてみたんだろうね…」

「男は言うとった。
あの時は早急に金が必要だったからあんな値段で売ってしまったが、本当ならあの百倍出しても買える代物じゃない。
もっと高値で買ってくれる人がみつかったから、返してほしいとな。
それで、『あの子ならもうここにはおらん』とわしが言うと、『もう死んだのか!?』って言うたんじゃ。
その時は、おかしなことを言う奴だと思ったが…おそらく、あの男は、あのルビーが悪い石だということを知っとったんじゃろうなぁ…」

「……なんてことだ…」

ヴェールは、頭を抱えてうなだれた。



「ジネットが、その指輪のことをあたし達に言ってくれてたら…」

「……可哀想にのう…」


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