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やがて、三人はジネットの待つ宿へ着いた。

「ジネット!待たせたね!」

「…おかえりなさい、皆さん…」

「ジネット…どうかしたかい?
なんだか元気がないようだけど…」

「…そんなことはありませんわ…」

その言葉とは裏腹に、ジネットの表情は憔悴しきっていた。



「ジネット…!
どうしたんだい?
あたし達がいない間に、何かあったんじゃないのかい?」

ジネットの頬にはいつの間にか幾筋もの涙が流れていた。



「ジネットさん、よろしければお話をお聞きしましょうか?」

そういって、レヴはハンカチを差し出した。
ジネットはそれを受け取り涙を拭ったが、涙の理由を話そうとはしなかった。



「ジネット、これ!」

「サリーさん…これは…」

サリーがジネットの手の平に包み込むように持たせたものは、以前、彼女が海で拾った黒蝶貝だった。



「どこかのじいさんが言ってたじゃないか。
この貝はとっても愛情深い貝だって。
助けになるかどうかはわからないけど、この貝、あんたにあげるよ。
そして、もし気持ちが落ち着いたら話しておくれよ。
悲しいことや辛いことは話すだけでも少しは楽になれるもんだよ。
友達なんだからさ、重い荷物があるんなら、あたしにも少し持たせておくれよ。」


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