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その晩、三人は屋敷でディサ、ヨンネと共に会食することになっていた。

「ユスカさんがいらっしゃらないのが残念ですね…」

「こんなに早く発たれるとは思ってませんでしたから…ユスカも目覚めたらきっと残念がると思います。
かといって、無理に起こすと身体にどんな負担がかかるかわかりませんし…」

「無理はいけません。
ユスカさんには手紙を書いておきます。
それに、またきっとそのうちお会い出来るでしょうから…」

「そういえば、次の行き先は決まっているのですか?」

「それがまだ決まってないんです。」

「あ…あたし、実は行きたい所があるんだけどさ。」

「そうなのか?どこだ?」

「今は言わない!」

「……おかしな奴だな…」

和やかな雰囲気に包まれ、会食はあっと言う間に終わった。







やがて、次の日の朝がやってきた。



「ヴェール様、くれぐれも無茶はなさらないように…
そして、いつでも、この森に帰ってきて下さいませ。
森の民は皆、あなた様のお帰りをお待ちしております。」

「ありがとうございます。
ディサさん、ヨンネさん、この村と森の民のことをどうぞよろしくおねがいします。」

「こちらのことはご心配なく。
レヴ様、サリーさん、どうぞ、ヴェール様のことをよろしくお願いします。」

「任せときな!大丈夫だよ!」

レヴはディサに向かって深くうなずいた。

お互いの姿が見えなくなるまで、森の民と三人は手をふりあって別れを惜しんだ。



(…ヴェールは、このままこの村にいた方が良いのではないか…?)

レヴはそんな風にも思っていたが、こう見えてヴェールは意思の強い男でもある。
決めたからにはあとにはひかないだろうということもわかっていた。



(出来ることなら、早くディサの娘に出会い、魔石とは関わることなく、この村へ帰れることになれば良いのだが…
しかし、何の手掛りもなく、ディサの娘をみつけること等出来るのだろうか?)



「そういえば…君は行きたい所があるといっていたな。」

「あぁ…そのことなら、ジネットに会ってから言うよ。」

サリーはもったいぶっていまだに次の目的地のことを言おうとはしなかった。


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