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町でジャックに関する話を聞き込んでみると、それらしき男を見たという者が何人かみつかった。
その男は、えらく体調が悪いように見えたのでそれで覚えているという。

はずれの橋の上で見かけたという者がおり、おそらくはこの先の村に行ったのだろうということだった。

三人はジャックの足取りを追った。
行く先々でジャックの足取りが少しずつ明らかになっていく…
三人は一歩一歩ジャックに近付いているのを感じていた。



「ジャックさんは南に向かっていたようですね。」

「そうだな。
しかし、南に一体なにがあるというのだろう…?」

するとある町の宿屋で有力な情報を聞くことが出来た。

ジャックらしき男が町で倒れ、この宿でしばらく面倒を見ていたというのだ。

ジャックは、この先の火山に行く所だと言っていたらしい。
そんな身体では無理だと宿の主人は止めたそうだが、ジャックの決意は変わることなく、ある朝早くに姿を消していたという…



「ジャックが火山に向かったのは間違いなさそうだね。」

「そうだな。
しかし、なぜ火山に…?」

「エメラルドの指輪を火山に捨てようと思われたんじゃないでしょうか?」

「……そうかもしれないな…
エメラルドが性質の悪い石だと気付き、完全に葬り去ろうと思われたのかもしれないな…」

「でも、まだ戻ってないってことはどうしたんだろう?」

サリーの言葉に、レヴはいやな胸騒ぎを覚えた。



「とにかく急ごう…!」

三人は、火山を目指して出発した。

火山は町からもその姿を見せていたが、見えてはいても意外に遠いのが山というものだ。

すぐに着くのではないかと思ったが、実際には何日もかかってしまった。

山のふもとには小さな町もあり、観光客らしき者達の姿もちらほら見えた。



「まずは、町で話を聞いてみよう。」

それほどたくさんの民家もないため、三人は一緒に行動することにした。

ジャックの情報は、意外な程すんなりとみつかった。
最初に訪ねた先に、ジャックを火山に案内したという男がいたのだ。



「気の毒な男だったな…」

その一言で、三人はジャックがもうこの世にはいないことを確信した。

「……詳しいお話を聞かせていただけますか?」


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