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ジャックの家は二つ程先の町だということがわかった。



「話を聞く限り、やっぱりそのエメラルドは魔石みたいだね…」

「あぁ、おそらく間違いないだろう…
性質の悪いもののようだ。
ヴェール、くれぐれも無理はするなよ。」

「はい。わかっています。」



三人は次の朝、ジャックの家を目指して出発した。

間の町で一泊し、次の日の夕暮れにはその町に着いた。

ジャックの家もすぐにわかったのだが、訪ねた家は不在だった。



「どこかにでかけていらっしゃるようだな。」

「どうする?もう少し遅くに来てみようか?」

「かといって、あまり遅い時間もご迷惑ですよね。」

三人が話をしていると、後ろから男の声がした。



「あんたら、ジャックの家に用があるのかい?
その家なら誰もいないよ。」

「誰もいない?
引っ越されたのでしょうか?」

「いや、親類に不幸があったとかで、奥さんは今出掛けてるんだよ。
月末には戻るって言ってたけどね。」

「ご親類の家はどのあたりなのでしょうか?」

「そんなことまでは聞いちゃいないよ。」

「そうですか…
ありがとうございました。」

三人はとりあえず、宿に戻ることにした。



「どうする、レヴ?
月末まではあと十日程あるよ…」

「十日か…長いが、仕方がない…
待つしかなかろう…」

レヴ達はその町で、ジャックの妻の帰りを待つことにした。
特に見る所も面白い物もない町なのでこれといってすることもなかったが、宿があったのがせめてもの救いだった。



「そろそろ、ジャックの奥さんも帰って来る頃かな?
そういえば、ジネットも西の森に着く頃だよね…?
ディサも驚いてるだろうなぁ…
ヴェール!あんた達がもっと若くて、しかも森の長じゃなかったら、ディサにこっぴどく叱られてるところだよ!
結婚前にそんなことになっちゃうなんて…」

「そうなんですか?
レヴさん、どうしましょう?
私は大変なことをしてしまったんでしょうか?」

汗をかいておろおろと慌てるヴェールを見て、レヴはくすりと笑った。



「大丈夫だ。
心配するな。
ディサさんも予期せぬ出来事に驚かれたのは間違いないと思うが、孫が出来て喜ばない者などいないさ。」

「あぁ〜!そうか!
ディサももうすぐおばあちゃんになるんだね。
あぁ、信じられないよ。
あたしにはディサもヴェールもジネットも皆、同じような年に見えるよ。」


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