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それから瞬く間に約一ヶ月の時が流れた…

「母さん、今、戻りました!」

「まぁ!カタリナ!
遅かったじゃないの!
私が許したのは半年間よ!」

「母さんは私に半年間ヴェールさんと一緒にいて良いって言ってくれたわ。
余分なのは帰ってくるのにかかった日数よ!
これでも半年より少し早くに発ってきたのよ。」

「まぁ…!
あなたったら、いつもそんなことを言うんだから…
そんな所は父さんにそっくりね。
でも、良かった。
無事に帰ってきてくれて…
おかえりなさい、カタリナ!」

「母さん!!」

ジネットはディサの首に手を回して抱きついた。



「ちょうど良かったわ。
今、お茶をいれた所よ。」

ディサはジネットに温かいお茶を出してもてなした。



「母さん…帰ってきて早々なんだけど、聞いてほしいことがあるの。
それと、ついてきてほしい所が…」

「何なの、カタリナ?」

「実は……」

ジネットは、妊娠のことを母に打ち明けた。



「なんですって?!
本当なの?カタリナ…」

「本当かどうかなんてわからないけど、前に聞いた話にぴったりだったから…
だから、母さんにお医者さんの所についてきてほしいの…」

「あなたにはまったく驚かされてばっかりだわ。
やっと帰って来たと思ったら、ヴェールさんのことが好きだなんていうし、半年だけおそばにいることを許したら今度は赤ちゃん?
私は気が落ち着く暇がないわね。」

「一番驚いてるのは私なのよ。
この数ヵ月の間にいろんなことがありすぎて…」

「お医者様にはあなた一人で行って来なさい。」

「でも…心細いわ。」

「何を言ってるの?
しっかりしなきゃダメじゃない。
あなたも知ってるでしょう?
私達は、お産は全部一人でやらなくちゃならないのよ。
出産の三ヶ月前からはあの場所へ行くことも知ってるでしょう?」

「知ってるわ。
でも、まさか、自分がそんなことになるなんてこと、まだ考えてなかったし…」

「さぁさぁ、ごちゃごちゃいってないで早く行って来なさい。
まずは本当に赤ちゃんが出来てるかどうかを確かめることが先決よ。」

ディサが一緒に付いて来てくれないことは、ジネットにもよくわかった。
観念したジネットは、仕方なく一人で医者の元を訪ねることにした。


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