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ジネットの体調が元に戻り、ようやく皆が安堵した。
三人はいつものように、宝石にまつわる話を探しに町へ出た。



「ジネットが良くなったついでに、なにか良い話が聞けると良いね!」

「そんなにうまくはいくまい…
しかし、ジネットさんはまだ元気がなかったな…
本当に大丈夫だろうか…」

「そりゃあ、五日も具合いが悪かったんだからね。
今までジネットの体調が悪い日なんてめったになかったからね。
精神的にもきっとこたえたんだよ。
でも、きっとすぐに元気になるよ。
あ…!だけど、今度はヴェールが元気なくなりそうだな…」

「私が?なぜです?」

「だって、あとしばらくしたら、ジネットは西の森に帰らなきゃならないんだもん。」

「サリーさんっっ!!」

「あ!あそこに変な店があるよ。」

ヴェールの叱責の声を無視し、サリーが指差したのは、小さな一軒の店だった。



「なんだかピエールの店を思い出すね。
あたし、あそこで聞いてくるよ。」

「じゃあ、私達も行こうか…」

それぞれが、適当な店や人を選んで聞き込みを開始した。

しかし、相変わらずこれといって重要な手掛かりだと思えるものはなにもみつからない…



「レヴ〜〜〜!!」

店を出たレヴに、大きく手を振りながらサリーが走り寄る。



「どうした、サリー?」

「さっきのあの店でちょっと気になる話を聞いたんだ。
ヴェールは先に言ってるから、あんたも早く来てよ!」

サリーとレヴは先程の店に急いだ。



「あ、レヴさん、こちらです!」

店の奥にヴェールと年輩の女性が座っていた。

店の女主人の話によるとは、数年前に店にエメラルドを売りに来た男がいたという。
身なりは粗末だったが、その気品のある顔立ちや立ち居振る舞いから、おそらくはその男性は元々は身分の高い人物なのだろうと店主は感じた。
男性は素晴らしく見事なエメラルドを持っており、それには不釣り合いな安い値段を持ちかけてきたという。
女主人は、とっさにそれが曰く付きの宝石だということを悟り引き取らなかったというのだが、それとおぼしきエメラルドを近くの町の金持ちが手に入れ、それからすぐに事故で亡くなったというのだ。



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