ヴェールとジネットは、夕食の時間近くになってやっと戻った。

夕食の時には、サリーの質問責めに合う。



「ねぇねぇ、あれからどうしたんだい?愛の洞窟には行った?」

「えぇ…」

「で、何をお願いしてきたんだい?」

「それは……」

ジネットとヴェールは真っ赤になってうつむく。



「あれ〜〜〜?
二人共どうしたんだい?
……ってことは…ヴェール、ちゃんと告白したんだ?!」

「サリー、もうよさないか。」

「ねぇねぇ!
ジネット、どうだったんだい?」

「あの……それは……」

「あぁ〜、もうなんて初心なんだろう、この二人は!
この程度のことで、こんなに照れるなんて可愛いというか、なんというか…」

「良いではないか…」

そんな二人の様子を見てレヴはとても穏やかな気分を感じた。
やっと、幸せになれた二人…

(早く魔石のことが解決して、森で暮らせる日がくれば良いのだが…)







「ヴェール…今日は、ジネットさんとどんな話をしたんだ?」

「えっ?ど、どんなって…」

ヴェールは頬を赤くした。



「あぁ、そういう意味ではないのだ。
ただ、君とジネットさんがどんなに親密になっても魔石のことだけは…」

「わかっています。
そのことだけは私も言うつもりはありません。」

「いらぬ心配をかけてもどうしようもないからな。
言うとすれば、すべてが解決してからだな。」

「私もそう思います。」

ヴェールは深く頷く。



「それで、これからのことだが、私達は今後も伝承の研究のため旅をするということにしておこうと思うのだが、兄弟のことはどうすれば良いと思う?」

「それは…そのままで良いんじゃありませんか。
それも魔石のことが解決してからで…」

「そうか…ならばそうしよう…」

「実は、あの後もジネットさんに『レヴさんとはよく似てる』とかそんな話が出たので、適当に返事をしといたんですよ。
ですから、いまさら、あれは嘘だとも言い辛くて…」

「そうか…
それで、ジネットさんはいつ森に帰るんだ?」

「そのことについてはまだ聞いていませんが、ディサさんも心配しておられるでしょうし、近いうちに帰ることになるでしょうね。」

「……そうか、そうなると君も寂しくなるな…」

「そんなこと…」

口とは裏腹に、そう言ったヴェールの表情はどこか寂しげだった。



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