17


「いえ、明日のこともありますし今夜は帰ります。
では、明日、どうぞよろしくお願いします。」

「そうかい。
レヴさん、ヴェールのこと、本当にどうもありがとうな。
そしてこれからもヴェールの事をどうかよろしく頼む…!」

「私の方こそ、ヴェールにはいつも世話をかけてるんですよ。
彼とはきっと今後もずっとつきあっていくことになると思います。
彼は、私にとっても大切な友人ですから…」

「レヴさん……」







レヴとヴェールは宿に戻ったのはもうずいぶんと遅い時間だった。

「サリー、起きてるか?」

声を潜め、レヴは扉越しに声をかけた。



(レヴさんだわ…今、帰ってらしたのね…)

ジネットは寝たふりをしながら、二人の会話に耳を欹てる。



「ジネットさんは?」

「大丈夫さ、よく眠ってるよ。」

サリーは部屋を出ていった。



(シャルロさんの所で、何かあったのかしら…?
もしかして、 私に聞かれてはまずい話…?)

ジネットは扉に耳を付け、部屋の会話に耳を澄ませた。



「サリー、明日、ジネットさんをシャルロさんの店へ連れていってくれ。」

「どうしたんだい?
なにかあったのかい?」

「まだ、詳しくはわからないんだが…もしかしたら、ジネットさんはシャルロさんにすでに会ってる事があるかもしれないんだ。」

「どういうことさ!?」

「…とにかく、明日、シャルロさんに会ってもらえばすべてはわかる…
そうだ、予約が取れたといって連れていってくれ。
探してる人のことをみてもらうようにと…
…話はそれからだ。」

「……わかったよ。」



(…どうしよう?!
明日、シャルロさんに会ったら私が以前会いにいったことがバレてしまう…
なんとかしなくては…!)







ジネットは翌朝、散歩に行くと行って宿を出た。
あたりを通る女性を見ながら、ある一人の女性に声をかけた。

「あの…突然申し訳ありません。
ちょっとお願いしたいことがあって…」


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