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「あ!レヴ!
えらく早かったんだね!」

浜辺では、三人が思い思いに海と戯れていた。



(まるで、子供みたいだな…)

レヴの表情がふっと緩む。



「いや、それが…実はそうではないのだ。
シャルロさんから新しい伝承について話を聞かせていただいたのだが、なかなか興味深い話でぜひ君の見解を聞きたいと思ってな…」

「私のですか…?」

「そういうわけだから、サリー、今夜は私達は遅くなるかもしれない。
ジネットさんをお連れして先に宿に向かっていてくれ。」

「あぁ、わかったよ。」

サリーはレヴの真意を汲み取った。



「では、行こうか、ヴェール…」

レヴはヴェールを伴い、今来た道を引き返す。



「レヴさん、どうかしたのですか?」

「あぁ、シャルロさんに君の話をしたら、ぜひ会いたいとおっしゃられてな…」

「私のことを話されたのですか?」

「あぁ、話した。
しかし、シャルロさんの様子はただごとではなかった…
ただ、森の民に会ってみたいとか…そんなことではないように思える。」

「そうなのですか…
では、一体、何なんでしょう?」

「…それは私にも皆目見当がつかない…」







「サリーさん、ヴェールさんも学者様なんですか?」

「う〜ん…ヴェールは、レヴの影響で興味を持ち出したってところかな。
ヴェールは、いろいろあって今まではあんまり勉強する機会がなくてさ。」

「あぁ…そういえば、皆さんはそれぞれ違った環境でお育ちになられたんでしたよね。」

「そうなんだよ。
でも、ヴェールはレヴに似て勉強好きみたいだよ。」

「お屋敷でもたくさん本を読まれてたみたいですね。」

「そうみたいだね。
レヴがヴェールに本をすすめたみたいなんだけどさ、ヴェールもすっかりハマっちゃって…
本当にあの二人は妙に似た所があるよ。」

「やはり、ご兄弟なんですね…
では、ヴェールさんももしかしたら楽器や絵もお上手かもしれませんね。」

「……そうだね。」



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