「モニカ!ニコラ!
ここを開けてくれ!!」


アーベルは扉を叩き、声をかけましたがやはり返事はありません。
二人はもう一週間も部屋から出て来ません。
さすがに心配になったアーベルは扉を蹴破りました。



「モニ……」

おかしなことに、部屋の中には誰もいません。



「あ…」

部屋の中に、アーベルはあるものをみつけました。
紫色の宝石が、無造作に転がっていたのです。

それを手に取った時、アーベルはすべてを悟りました。
その石が、アーベルへの愛情、そしてお互いのへの愛情の狭間で苦しんだ二人のなれの果てであることを…


アーベルは、その宝石を胸に抱き、熱い涙を流しました。



〜fin.


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