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食事を終えて、シュウと差し向かいでお茶を飲む…
あたりから聞こえて来るのはお茶をすする音と虫の声だけ…
静か過ぎて、なんだか落ち付かない…



「良いね、静かで…」
「ポテチでも食べる?」



奇しくも同時に発せられた二人の声が重なった。



「え?ポテチ?
まだ食べたりないの?」

「そ、そうじゃないって!
シュウはスィーツ好きだから、こんな時は甘い物が食べたいだろうなって…」

「で、なんでポテチになるわけ?
甘いポテチでも発売された?」

「違うって!今、うちにはお菓子っていったらポテチとおかきとチョコしかなくて…
あ、そうだ、それじゃあ、チョコにする?」

焦る私に、シュウはちょこっとだけ口の端を上げた。



「そんなに気を遣わなくて良いってば。
でも、スィーツ好きだって覚えててくれたなんて…ちょっと嬉しいよ。」

「え…?」

覚えるもなにもそんな設定を考えたのは私だし、いくらなんでも自分で考えたことをすぐに忘れる程ボケてもいない…



「ねぇ…」

かけられた静かな声で、私は物思いから覚める。



「……俺のこと、好き?」

私の思考回路がショートした。
好き?今、シュウは、私に好きかと聞いているのですか?

そんなことをストレートに聞かれたことなど一度もなくて…
心臓は飛び出しそうになるし、顔は火を吹きそうに熱く、なんだか頭がくらくらして来た。
そんなパニックに陥りながらも、こんなことで動揺してるなんて思われたくないという妙な自尊心が残っていて、私は朦朧とした意識の中でなんとか口を開いた。



「そ、そ、そういうシュウはどうなのよ!
私のこと、好きなの!?」

答えにくい質問には質問を返して誤魔化すのが一番だ…と、そんなことを考えたのかどうかもわからない。
脳ではなく本能のようなものが、自己防衛のためにそんなことを言ったのかも知れない。



「あぁ、好きだよ。大好き。
愛してる。」



返って来た言葉は、予想外の言葉だった。
なぜだ!?なぜそんな恥ずかしいことがそんな真顔で言えるんだ〜〜!!
100%理想像のシュウにそんなことを言われて嬉しくないはずはないのに、それよりも動揺の方が遥かに大きく、私はそんな奇蹟でもなけりゃあありえないような出来事に悦びを感じる余裕はなかった。
漫画だったら、脳が噴火してる状態だ。
あぁ、本当に噴火してしまいたい…!



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