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「うわぁ、綺麗!」

「お人形さんみたいだね!」



ウェディングドレスを身に付けたジャネットとリュシーの姿に、セリナやエリオットは興奮を隠せなかった。



「フレイザーもイリアスさんもきっとびっくりするよ!
二人ともいつもとは全然違うもん!」

「まぁ、それはどういうこと?
普段の私は綺麗じゃないってことかしら?」

「そ、そうじゃないよ!
リュシーさんは普段からとても若くて綺麗だし…第一、若い頃のドレスが着れるなんて、すごいよ!」

その言葉に、リュシーとセリナはくすくすと笑った。
リュシーのドレスの後ろ側に、縫い直した所があることに、エリオットは少しも気づいていなかった。



「それにしても、本当に見事なドレスだわ。
ジャネットのも素敵だけど、リュシー叔母様のドレスのこの宝石の数ったら……」

「不思議なものね。
若い頃はこんなものにも少しもひかれなかった。
今見ると、本当に心が躍るようなドレスなのに……」

リュシーはそう言いながら、改めて自分の豪華なドレスに目を落とした。



「それだけ、イリアスさんのことを愛してたってことだろ?」

「その通りね。
私はダルシャと違って、一途だったから……」

「でも、そのおかげでこうしてまた一緒に暮らせるようになったんだもんね。」

「あなた達も、早く良い人をみつけなさいよ。
あ、その時にはこのドレスを貸してあげるわ!
もう縁起の悪いドレスなんかじゃないでしょう?
私は一人の男性を愛し続けて、そして再会……
永遠の愛を誓う素敵なドレスよね?」

リュシーの言葉に、セリナとエリオットは苦い笑みを浮かべた。





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