49
*
「おじさん、信じてくれたかな?」
「まぁ、ダルシャのあの姿を見れば、信じないわけにはいかないだろうな。」
フレイザーの言葉に、エリオットとセリナは顔を見合わせて微笑んだ。
「そうよね…
おじさまも苦笑なさってたわね。
ダルシャも可哀想に……
あ…それはそうと、フレイザー…ジャネットの具合はまだ良くならないの?」
「あぁ…熱はたいしたことないんだけど、気分が悪いらしい。」
「そう…最近は、けっこう調子良かったのに、今頃になって旅の疲れでも出て来たのかな?」
「そうかもしれないな。」
「あんまり良くならないようだったら、こちらのお医者様に診てもらったら?」
「俺もそう言ってるんだが、いやがるんだ。
ハイブリッドだからどうのこうのって言ってたけど、そんなこと、バレないと思うんだけどな。」
そのままお昼近くまで眠ったセリナ達は、昼食の席で再び顔を合わせた。
「おはよう、寝坊助さん達。」
ラスターの軽口に、セリナ達は苦笑する。
「ラスター、今日はなんだか機嫌が良いのね。」
「昨夜、三人でいろいろ話し合ったんだ。」
「親父!余計なことを言わなくて良い!」
「なるほどねぇ…」
そっぽを向くラスターを、リュシーとイリアスはとても幸せそうな顔でみつめた。
「フレイザー…ジャネットの具合はどうなんだ?
結婚式のことで、少し話したいことがあるのだが……」
「あぁ、ありがとう。話しとくよ。
よほど疲れてたのか、あいつ、最近寝てばっかりなんだ。」
「やはり、医者に診せた方が良い。
後で、手配しておくから…」
「すまないな、迷惑かけて……」
しかし、ジャネットは医師に会うことを頑なに拒んだ。
- 750 -
しおりを挟む
コメントする(0)
[*前] | [次#]
トップ
章トップ