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「なんだ、また君達まで…今日はさらに一人増えたのだな…」

夜になり、リュシーとダルシャに両側から囲まれるようにして、アンドリューが居間に現れた。
アンドリューがいやいや来たことは、その表情からも明らかだった。



「なんだ、それは……」

布きれの下から聞こえる金属にぶつかる音とおかしな鳴き声に、アンドリューはすぐに気が付いた。



「それはいずれ……」

「では、父上…私が旅に出ていた理由ですが……
昨日話した通り、願い石を探しに行っていたのです。」

「またそれか……そんなことなら……」

「待って下さい。
今夜はそれが嘘ではないことを証明しますから。」

「証明…?」

ダルシャは苦笑しながら、頷いた。



「本当ならば、こんなことは話したくなかったのですが、仕方がありません。
実は、私は、その…ある女魔法使いとその…なんというか……」

「話さなくともだいたいのことはわかる。」

「若く美しい女だと思っていたら、なんと、実はしわくちゃの老婆だったのです。
魔法で若い女性に化け、私を騙していたのです。
その老婆が結婚を迫って来たわけですから、私は当然それを断りました。
すると、その魔法使いは激怒し、私に呪いをかけたのです。」

「呪い……だと?」



「ええ…父上、しっかりと見ておいて下さいね。
エリオット……頼む。」

ダルシャの言葉にエリオットは頷き、立ち上がって、例の布きれを取り去った。



「な、なんのつもりだ!
ナジュカなんぞを屋敷に持ち込むとは…!」

「まぁ……!」

リュシーの声に、アンドリューの視線はダルシャに移った。



「な…なんとーーーー!」



アンドリューは、腰を抜かさんばかりに驚き、ただただ猫男に変身したダルシャをみつめた。




「本当にお恥ずかしいことですが…こんな呪いをかけられてしまったのです。」

「おぉ……なんということだ……」

「ナジュカさえ見なければ、何の問題もありません。
ですが、見てしまったら…必ず、こんなことになってしまうのです。」

「も、元には戻るのか?」

「はい。ある程度の時が経てば、自然と元に戻ります。」

「そうか……」

アンドリューは、憐れむような視線でダルシャのことをじっとみつめた。



「まぁ〜…おひげもあるのね。
あなた、やっぱり元が良いだけに、マーナになってもとても可愛いわね!」

無邪気な顔でダルシャのひげをひっぱるリュシーに、深刻な顔をしていたアンドリューもつられて苦笑する。



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