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「な、なんだって…願い石だと!?」
アンドリューは大きく目を見開き、そう言ったっきり、二の句が告げないでいた。
「……確かにお兄様が驚かれるのはもっともだわ。
でも、本当のことなのよ。
願い石はただの伝説なんかじゃない。
本当にあるのよ。
それとね…お兄様、さっき言った『まだ言ってないこと』ですけど……
実は、私、獣人さんに会ったのよ!」
「リュ、リュシー…!
ふ、ふざけるのは止めなさい!」
「あら、私、ふざけてなんかないわよ。」
エリオットとセリナは、同じタイミングで頷いた。
「おじさん、リュシーさんの言ったことは本当のことだよ。
ボク達だって、何度も獣人実は会ってるよ。」
「獣人だけじゃないわ。
私達、ここに来る前、エルフの里にいたのよ。」
「まぁ、エルフの里に!?
私も行ってみたいわぁ…」
「……君達までそんなことを……
皆、真面目に話す気はないんだな?
そんなことなら、私はもう寝る!」
「あ、お兄様!」
「父上!」
アンドリューは振り向くこともなく、カツカツと神経質な靴音を響かせて、部屋を出て行った。
「……やっぱり信じてもらえなかったか。」
「まぁ、最初からあんな話じゃ無理もないよね。
でも、困ったね。どうするつもり?」
「ねぇ、ダルシャに好きな女性が出来てその人を追いかけてた…なんてどうかしら?」
「私が一人の女性にそれほど執着するなんて……おそらく父上は信じないだろうな。」
「……そうよね。
あなたが一途な性格じゃないことは、皆、知ってるものね……」
「酷い言われ方だな。」
リュシーの率直な言葉に、ダルシャは苦笑した。
「じゃあ、どうすれば良いかしら?」
四人は黙りこみ、何か良い案はないかと想いを巡らせる。
「そうだ!リュシー叔母様、私、良いことを思いついたわ!」
「どうするの?」
セリナは小さく肩をすくめ、おかしそうに微笑むと、その計画について話し始めた。
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