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「カルヴィン!」

「……セリナ…それに皆も……」



エルフの里に着いた一行は、エルフとの久しぶりの再会を喜んだ。




「皆さん、お元気そうでなによりです。
あ…あなたとはお会いするのは初めてですね?」

「え…あぁ…私は……」

「カルヴィン、この人はフレイザーの恋人…いや、奥さんのジャネットだよ。」

「なんと…!ご結婚を……?それはおめでたい。
フレイザーさん、ジャネットさん、おめでとうございます。」

「あ、ありがとう……」

ジャネットは、聞かされていたイメージとはまるで違うカルヴィンに戸惑いながらも、嬉しそうに微笑んだ。



「カルヴィン…ここに母様が来ているわよね?」

「母様?……それではあの方は、やはり、あなたのお母さんだったんですね。
ええ、いらっしゃいますよ。」

「良かった…
願い石で、母様をここへ送ったの。
願い石は砕け散ったから、願いは叶えられたんだと思ったけど、やっぱりどこか心配だったの。
それで、母様はどこに?」

「……こちらです。」

荷物を降ろすこともなく、六人はそのままカルヴィンの後に着いて歩いて行った。
二人に騙されたことに気付いたジャネットは、小声でエリオットとフレイザーに文句をぶつけていた。

しばらく歩くと、日当たりの良い広場のような場所に出た。
その真ん中あたり…小さな花の咲く草むらに、二人の女性が並んで座っている。
そのうちの一人は、セリナと同じ銀色の長い髪をなびかせていた。



「……母様っっ!」



セリナは大きな声を発すると、二人に向かって駆け出した。
そこにいた二人は声に気付いてゆっくりと振り返る。



「母様!」



セリナは大きく手を振り、二度目の声を発したが、年配の方の女性は興味なさげにまた手元の花に目を遣った。



「……母様?」



息を切らせたセリナがすぐ傍に近付いても、女性は花を摘むことに集中していた。




「母様…どうしたの?
セリナよ…やっと帰って来たの……」

女性は一瞬手を停め、セリナの顔をじっとみつめたが、またすぐに花に手を伸ばした。



「母様!
……もしかして怒ってるの?
私が母様を置いて逃げたから?」

「……セリナ…そうでありません。」

女性の傍に付き添っていたエルフの女性が答えた。



「どういうことなんです?」

「セリナ……私から説明しましょう。」

いつの間にか後ろに来ていたカルヴィンが口を開いた。



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